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恋情 ページ13

「姫様あ!軍議終わったの?」
廊下を歩いていると、桜が話し掛けてきた。爪には、赤い爪紅がほんのりと着いている。
「はい。次は天下統一の総仕上げ、小田原を攻めると」
「うん。全部聞いてたよ!頑張ろ!」
桜は無邪気に笑い、胸の前で握り拳を作った。

「それよりさ…」
桜の頬が赤く染まる。
Aは、桜が言いたいことがなんとなくわかった気がした。
「半兵衛様、元気にしてた?」
「はい。とても元気にしてらっしゃいました」
桜の顔がぱあっと明るくなる。
「そっか!」
「桜にも会いたがっていましたよ」
「本当に!?」
あの微笑みを桜にも見せたかったものだ。

「桜は半兵衛様のどこが特に好きなのです?」
Aはそれとなく聞いてみた。
「全部だね!!」
「…」
いっそ清々しい顔で言う桜。
(前言撤回)
この忍、あの微笑みを向けられたら絶対叫んで転げ回るだろう。ひっくり返って元に戻れなくなった虫みたいに。

「顔はもちろん、賢いし、笑顔が何より素敵だし、戦だって強いし、声も素敵だし」
幸せそうに言う桜が大変微笑ましい。ほっといたら桜は喉が潰れるまで半兵衛の魅力を語り続けそうだなとAは思った。

「あと凄いいい匂いする!」
「え」
反応に困った。
「ちょっ…ちょっ…引かないで!ほんとに!ほんとにいい匂いするから!」
「引いてません」
そこは嘘を吐いておく。桜が可哀相だ。

桜はうずくまって、
「はあぁ………」
と溜息を吐いた。
恋は女を美しくするとはよく言ったものだ。
Aは納得したように頷いた。今の桜がまさにそれだ。耳まで真っ赤になっている。可愛らしいなとAは思った。

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鶯餅(プロフ) - コメント有難う御座います!これからも更新頑張ります! (2018年5月29日 18時) (レス) id: d3725be283 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - 楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい!^ ^ (2018年5月29日 14時) (レス) id: df783c30d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鶯餅 | 作成日時:2018年5月2日 22時

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