私は、失敗作だった。【東京喰種】 (ページ8)

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｢おや？新入りかい？｣

『あ、いえ……えっと』

ジリジリと迫られ、じっとりと舐め回されるように見られる目を避ける。

た、食べられる…

｢はい、ストップ。これ以上は、寄らないでください。｣

カネキさんが間に入り、月山さんを睨む。

よ、よかった……

｢あらためて、僕は月山習。カネキくんの剣だ｣

『は、はぁ……。楠木Aです。』

またまたじっくり見られる。

｢月山さん、何度言えばわかりますか？｣

カネキさんが、隣に座っててくれるだけで安心します……大丈夫です。

｢君は、喰種だが……何処かカネキくんと同じ匂いがするよ｣

無意識に、肩を揺らす。

私は、半喰種って？失敗作の喰種だって言えるの？

赫子も出せやしない、増しては元は人間だなんて言えるの？

『あ、あの』

｢ん？なんだい？｣

『そ、その……半喰種です』

ダラダラと、冷や汗がやばい。

｢Great!!!!!匂いで直感したさｯ!!!!!

Ms.A!!!!!｣

『うわあ！！』

私の叫び声とともに、月山さんは倒れた。

｢……｣

｢カ、カネキく……その見下した顔が……僕は興奮する……よ｣

たぶん、きっと月山さんはもうだめなんだと思う。

なんかこう……色々

｢怖かったよね、大丈夫？｣

頭を撫でてくれるその手は、きごちないけど

でも凄く優しくて

『はいっ』

嬉しかった。

｢今日は、用があってきたんだよ｣

いつの間にか立ち上がっていた月山さん

｢ええ、分かってますよ。｣

月山さんは、一枚の資料と写真を出した。

『え……これ、私？』

紛れもない、私の顔と

嘉納先生の名前と、『試験作01』というプレートを持った私のプロフィールが書かれていた。

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