私は、失敗作だった。【東京喰種】

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『おはよう』

初めは、すごく緊張した。


変に思われてないかな。



最初は、びっくりされたけど

｢Aちゃん、髪の毛可愛い！｣


｢お洋服も可愛いね！｣


嬉しかった。母さんが結んでくれた髪を褒めてもらえた。


『あのね、これね、母さんがやってくれたの！』


｢Aちゃんのお母さん、じょうずー！｣


休み時間も、初めて外で遊んだ。
楽しかった。


帰りも一緒に帰った。


｢Aちゃん、じゃぁーねぇー！｣

『ばいばい！』


早く帰って、母さんに話したい！

父さんにも聞いてほしい。


帰り道の途中、近所の公園で泣き声が聞こえた。



かけてみると、ベンチに座って泣いてる女の子



『ど、どうしたの？』

学校以外の人に、声をかけたのもまた緊張した。


｢ぁ、ぁのね……わたしっ｣



けど、その子は号泣してしまって
小さい私は、どうにかしようと慌てていた。



"あなたなら、きっと目を落としてしまいそうな子を見つけられる。"



以前、母さんが言ってた言葉。




｢みんな……っ…あきらのことね……怖いって……｣



あぁ、この子も私と一緒だって思った。


きっとこの子も、友達が出来なくて悩んでいるんだ。



『あきらちゃんっていうの？』


｢ぅん……っ｣



すっと、手を差し伸べた。


私なんでいいかな


伸ばす手は震えていた。


『湊小学校4年生 楠木A!!!!!

私と、友達になろうっ！！！！！』



初めて大きな声を出した。
初めて勇気を出した。

初めて自分から、友達になろうと思った。


声震えてないかな、裏返ってないかな？


あきらちゃんは、ぽかんとした顔で見ていた。




でも、すぐ笑顔になって

すっと、暗い顔になった。



｢Aちゃんは……私なんか友達でいいの？｣



こんな時、母さんはどうするんだろう。



ううん、ここは私が何とかしないと


私なら、どうするんだろう。




自然に頭を撫でていた。



｢え？｣


『母さんがね、悲しい時とか辛い時にこうして頭を撫でてくれるの。
撫でられたらね、幸せな気持ちになってね、嬉しくなるの！』



詰まりながら、言葉を発する。


『だからね、あきらちゃんもね幸せになって欲しいの！』




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