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「……強くなりたかった。」



僕が、みんなを守らないとって
じゃあ、強くならないとって。



「結局、人間の僕も喰種の僕も弱くて情けないんだよ。」




誰も助けてあげられない。


Aちゃんを拾ったのだって、僕が守るからって理由だけで



「全然だめなんだよ、でもそう言い聞かせないと僕が僕じゃなくなるみたいで」





ずっと下を向いて話してた。


だって、Aちゃんにこんな顔見せられないでしょ



『カネキさん……っ』




君のその声が、僕をまた弱くする。



『カネキさんっ!!!!!』



ハッと思い、顔を上げると


怒りと、涙に震えているAちゃん



『なんですかそれ!』



「……え?」




『そうですよ!カネキさんの守るって全部全部……自分の事じゃないですか!

カネキさんは、弱いんですよ!弱いんです!』



ちょっとムカってきた。


「な、何もそこまで…」



『でもっ!!!!!』




Aちゃんは、涙を拭きながら僕を見る。





『紛れもなく、私を助けてくれたのはカネキさんです。

その時のカネキさんは、凄く強くて

あぁ、この人の力になりたい。そう思ったのは本当ですよ。』







そう言って笑った。



あぁ、そうだ。僕はこの目に、この笑顔にきっと…




『誰しもが、弱い部分を抱えて生きてます。

だから、強くなろうとする。


けど、初めから弱いなんて人はいないんです。反対に、初めから強いなんて人もいないんですよ。』







これは、きっと彼女が人間のころに体験したから言えたことなんだろう。

両親には捨てられ、身を隠す毎日……


辛いことや、苦しいことがほとんどだっただろう。


でも彼女は、死ぬことを選択しなかった。




『私が今日まで生きてたのって、きっとカネキさんに会うためだったんですよね!』




喰種に変えられたら、たぶん他の喰種に倒されて死のうとも出来るだろう。



でも、それでもAちゃんは



今日まで生きた。


恨みや、悲しさを抱えてても。





「Aちゃんは、強いよ」




『だ、だから……っ』




「じゃあ、僕も頑張ろうかな。」






そう笑うと、Aちゃんは驚いてたが



そっと微笑んで






『どこまでも、力になります。』







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設定タグ:東京喰種 , カネキ , 半喰種   
作品ジャンル:アニメ
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ゆっくり - 面白いです! (2017年10月29日 18時) (レス) id: a4d20385ec (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2017年10月3日 22時) (レス) id: 829d8127bd (このIDを非表示/違反報告)
なんず(プロフ) - 伊吹クララさん» コメントありがとうございます!!頑張ります!!!! (2017年8月26日 10時) (レス) id: 8b6874782c (このIDを非表示/違反報告)
伊吹クララ - 面白いです!頑張ってください! (2017年8月25日 21時) (レス) id: 1b8fd0b149 (このIDを非表示/違反報告)
なんず(プロフ) - 闇月さん» 応援ありがとうございます!!頑張ります! (2017年8月22日 14時) (レス) id: 8b6874782c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なんず | 作成日時:2017年8月20日 14時

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