十六話 ページ17
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ついにくじを引く番が来た。
一人三枚引くんだったな。
私は後ろの方に並んでいたので枚数が少なかったが、だからといって適当に引くわけにもいかない。
そう思い一番奥にあった紙三枚を手に取り、列の邪魔にならないように壁際に移動した。
壁に背中を預け、紙を開く。
そこには、
素数だなぁ...
呑気にそう考えていると、引き終わったのか切国がこちらに駆け寄ってきた。
切国「本歌、何番だ?」
次の言葉を聞き、私はフリーズした。
“俺は1番、3番、5番だった。”
「...えっ?」
私も同じだ。
そう言うと、切国は「本当か本歌!」と嬉しそうに笑った。
...いやいやいや、嘘でしょ?
全部一緒だなんて、奇跡にも程があるよ!
何?神様は私と切国をずっと一緒に居させたいの?
そこまでして私と切国の絡みが見たいの!?
...って、今は私も
そう心の中で荒れている私の横で切国は「運が味方してくれた...」とガッツポーズをしながらそう呟いていた。
...別に切国と一緒にいることが嫌なわけではないんだ。
だけど、これは親睦会なんだろう?
ずっと切国と一緒って親睦会が成立しないのでは...?
そう考えていると加州が声をかけてきた。
加州「どうしたの山姥切ーず、荒れてるみたいだけど?」
問いかけてきた加州に今の状況を説明すると、加州は苦笑いをした。
加州「あー、だから切国が荒れてるわけね。」
山姥切さんが嫌なら紙交換しようか?
その言葉に、本当か!と反応すると、袖を引っ張られた。
そちらに目をやると、若干涙目になった切国が。
「...ありがとう、気持ちだけ受け取っておくよ。」
交換しようとしてくれて、ありがとう。
私はできるだけ優しく微笑みながら二回礼を述べた。
加州「...ふふっ、大丈夫だよ。」
また何かあったらいつでも言ってね?
そう言うと、清光は私の頭をぽんぽんと二回撫でたあと、大和守の方へ歩いていった。
「...切国くん。」
私は今でも涙目になっている切国に声をかけた。
「いつまで泣きべそをかいているんだい。」
そう言いながら、ハンカチを渡す。
「今からトランプを始めるんだから、そんな顔していちゃ駄目だよ。」
私は受け取ったハンカチで涙を拭いている切国の頭を撫でながら、目を見てそう言った。
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みほ(プロフ) - 柚々々澤さん» てぇてぇ気持ちになって頂けて良かったです…!最後までお付き合いありがとうございました! (2021年8月2日 7時) (レス) id: 2712d1091d (このIDを非表示/違反報告)
柚々々澤(プロフ) - とっってもてぇてぇでした…。素敵な作品をありがとうございます…!!更新お疲れ様でした! (2021年8月1日 15時) (レス) id: 178133bf5a (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 青葉さん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!!最後までご閲覧ありがとうございました! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 2712d1091d (このIDを非表示/違反報告)
青葉(プロフ) - 更新お疲れ様でした。とても素敵な作品をありがとうございました! (2021年7月31日 13時) (レス) id: d8f38b547d (このIDを非表示/違反報告)
みほ(プロフ) - 花の都さん» コメント遅くなって申し訳ありません...!!思いついたものを即興で書いているのでごちゃごちゃしているところがあるかもしれませんが、これからも頑張ります...!! (2021年4月1日 14時) (レス) id: 2712d1091d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みほ | 作成日時:2019年4月20日 11時