目を開く少女の話【シンタロー】

‐第５話‐ ページ7

‐貴方sideｰ

A「……っハァッ…ハァッ……」

オレ…もとい 日向Aは真夏の都会に来ていた。
オレ…いや、“私”は都会にいるものの、此処の出身ではなかった。
言っておくが、旅行なんかではない。

私は独り身で……家を出てきた。つまり引っ越してきたのだ。
理由は単純。







――――両親が離婚したのだ――――







まあ、前から仲は悪かったので、何処かしら予想はしていた。
その際に、どっちについていくのかと聞かれたのだが、
私は、

「そんなことなら“オレ”はどっちにもついていかない。



―――――――ひとりで生きる―――――――」





そう言い切った。





流石に引っ越しの手続きは親がやってくれたし、
月一で小遣いもくれるという。




そんなことで、私は一人で見知らぬ街へと飛び出してきた。






引っ越し先のアパートはすぐに見つかった。






夏休み中に来たので、本当はアパートでゴロゴロしていたかったのだが、
やはり食品などはないとと思い、外へ出た。

・

ｰ第６話‐→←‐第４話‐

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す