目を開く少女の話【シンタロー】

-第２１話- ページ24

‐シンタローside‐




シン「…………ッあ…………」



その言葉に俺は驚愕した。




俺はこの人に助けられた。
しかし、他所から見て知り合いが消えたら誘拐かその類に見えるだろう。
警察などに捜索願など出されていたら溜まったものではない。
多分Aにも迷惑をかけるのは目に見えている。
少し自意識過剰かもしれないが、つい最悪の状況を思い描いてしまう。





今すぐ叫びたい衝動に駆られたが、それを不屈の精神で押し込み、
光の速さでケータイを取り出した。









誰がいいか…?母…?…………いや、恐ろしすぎる。









やはり最善策はモモだろう。







急いでモモの番号をタップし、電話をかける。




――――――――――――――――

‐モモside‐


あの日おにいちゃんがアジトを出てから一度もお兄ちゃんは来ていない。
……それどころか一度も見ていない……
さらに引き籠っている訳でもない様で、家にもいないようだ。









…どうしよう…誘拐とかだったりしたら……!!…









頭のいい兄に限ってそんなことはそんなことはないと思うが…



やはりバカ兄でも兄は兄なのだ。とても心配である。









モモ「……お兄ちゃん……」









そうつぶやいた瞬間、私のケータイが振動した。
まるでその言葉を待っていたかのように。



モモ「誰…ってお兄ちゃんッ!!!!?」


私は瞬足でケータイの画面をタップした。









モモ「バッ…バカ兄ッッ!!!どこにいんの!!?
……もうっ!!心配したんだからね!!!?」

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