綱吉くんと強がりくん ページ18
綱吉が一軍入りしてすぐの頃ーーー。
「征十郎いるー?」
綱吉は部室のドアを開けた。
赤司に用があり、校内を探してもいないためきっと部室にいると思い来たのだ。
「あ、いた……」
確かにその目立つ赤色はそこにいた。
けれど予想外なことが一つあった。
「寝てる……」
くぅくぅと規則正しい寝息を立てて、あの赤司が無防備にも寝ているのだ。
(こうしてみるとただの中二だよなあ)
一年の頃から副部長を務め、常に凛としている赤司。
歳相応な顔して眠っているのにくすりと笑ってしまう。
「寝かしてあげるか」
もう放課後、今日は部活もない。
しっかり休ませてあげることにした。
________
「綱吉」
綱吉の教室の入り口に、赤司が立っていた。
「どうしたの、珍しいね」
皆で昼食を食べたり、集まったりすることはあれど、赤司と2人きりは珍しい。
そして赤司が綱吉を訪ねることも初めてだ。
「昨日の礼を言いにな」
「お礼……。あぁ……」
昨日、眠っている赤司の代わりに、顧問から頼まれていたらしいものを綱吉のできる部分だけやっておいたのだ。
「ありがとう、綱吉。助かったよ」
「いえいえ、どういたしまして」
赤司が助かった、だなんて言うから相当大変だったのだろう。
「そうだ、今日の昼、一緒に食べない?テツヤと大輝もいるよ」
「いや……すまない。昼休み、先生に呼ばれているからね」
「そっか、じゃあまた今度」
「あぁ」
また呼び出しだなんて、なんて忙しいのだろうか。
テストは常にトップ、百人を超えるバスケ部の副部長、赤司が超人であると改めて認識した。
(にしても、一瞬だけ、征十郎じゃない感じがしたような……)
ほんの一瞬、感じた違和感。
(ま、気の所為か)
これを放っておくべきでなかったと後々綱吉はとても後悔することになる。
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞花(プロフ) - 麒麟さん» ありがとうございます(^^) (2016年11月27日 21時) (レス) id: f59e8517c8 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 何ですかこの面白さわ!更新お願いしますね! (2016年11月27日 18時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - リズさん» ありがとうございます (2016年11月5日 20時) (レス) id: f59e8517c8 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - やっぱり面白いですね! (2016年11月1日 21時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - リズさん» ありがとうございます^_^ (2016年10月28日 7時) (レス) id: f59e8517c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:舞花 | 作成日時:2016年9月21日 15時