黒き舞姫の舞踏会

包帯無駄遣い装置www ページ5

次の日。

僕は太宰さんに電話で呼び出されて敦くんの下宿寮にいた。

そして、ついさっき出てきた敦くんとともにとあるドラム缶を眺める。

「早速だが助けてくれないか？」

「何だこれ…朝の幻覚？」

「違う」

「何してんですかあんた」

そのドラム缶の中には、太宰さんがいた。

何でもそういう自 殺法があるらしい。

で、苦しいばかりで一向に逝ける気配がないので僕らを呼び出したと。

「敦くん、ちょっと退いててくれる？」

「え？あ、はい…」

敦くんが後ろに下がったことを確認し、まだ痛む左足を軸足に右足を上げる。

「ようは、このドラム缶をひっくり返せばいいんですよね？」

「ちょっと待ってAすごい黒い笑顔」

そして、渾身の蹴りをドラム缶に叩き込んだ。

ドラム缶は倒れて、太宰さんは出てきた。

あ、ドラム缶すっごいへこんでる。

「あ、あの、Aさん、足…大丈夫でしたか？」

どうしよう敦くんすごいいい子なんだけど。

「大丈夫だよ。ありがと」

「おーい、私の心配は…」

するわけねえだろバーカ。



僕ら3人は街に出た。

敦くんの仕事斡旋…という名目(まあ間違っちゃいないけど)で探偵社に連れて行き、入社試験を受けさせる。

「任せ給えよ。我が名は太宰。社の信頼と民草の崇敬を一身に浴す男」

「わあ面白い冗談ですね太宰さん。でもあなたが浴びているのは文句と呪いと苦情の電話ですよ？」

「その通りだ太宰ィ！」

あ、国木田さん。

「ここに居ったかこの包帯無駄遣い装置！」

「なっ…？！」

「ほ、包帯無駄遣い装置…www」

国木田さん、面白すぎるwww

額を押さえショックを受ける太宰さん。

僕はもう笑いが止まらないwww

「国木田くん、今の呼称はどうかと思う…。それにAも笑いすぎ！」

「ほ、包帯…無駄遣いwwww」

ダメだ、敦くんが完全に置いていかれてる。

落ち着こう。

「で、どうしたんですか国木田さん」

これから入社試験だというのに何だこの空気は。

まあ大笑いしていた僕が言えたことではないけれども！

「そうだった！お前らいますぐ探偵社にこい！」

よし、ここからは僕も役者モード。

「どうかしたのかい？」


「爆弾魔が─────









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人質連れて探偵社に立てこもった！」

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宮沢賢治

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