任務完了 ページ17
その言葉と同時に、私は異能力を発動する。
『舞踏会 ワルツ・スローテンポ』。
特定の人物や物の動きの速さを3分の1にする。
いつもの作戦とは、これで敵の動きを遅くして一気に叩くというものだ。
ただしこれ、すごく体力を使う。
だから本当はあまり使いたくないんだけど仕方ない。
仲間の犠牲を少しでも減らすためだ。
私の異能発動を合図に、構成員達が一斉に銃を撃つ。
中也さんと私は体術で敵を倒していく。
「やっぱなまってんじゃねえのかっ?!」
拳を叩き込みながら言う中也さんに。
「異能を使ってるせいですよっ!」
敵を蹴り飛ばしながら言い返す。
ああ、久しぶり。
「さて、大体片付いたかな?」
「ああ、あとは組織のトップがどっかに…」
中也さんが言葉を止め、ある一点をずっと見つめている。
その視線の先には大きな木箱があった。
そして、何かがキラリと光っている。
よく見ると周りの荷物にも同じようなものが付いていた。
間違いない。
「カメラだな。おそらくあれで様子をうかがってんだろ」
私たちは組織のトップを探すため階段を使って上に上がろうとしていた。
だが、何か引っかかる。
彼らは絶対に後ろに逃げなかった。
後ろには裏口があり、木箱を退ければ───あるいは壊せば───逃げられた。
そうしなかったのは何故だ?
私は何も言わずに階段を駆け降りる。
「おい!A!」
中也さんが呼んでいるが今はそれどころではない。
先ほどの場所に戻り、1番大きな木箱の中を開ける。
そして、ニヤリと笑った。
「中也さん、ビンゴです」
私は拳銃を取り出して木箱の中にいた男、組織のトップに突きつけた。
「カメラでどこからか監視していると見せかけてそこに隠れてたってわけか。で、俺ら全員が上に行ったら逃げるつもりだったと」
「その通りです。というわけで…」
私は拳銃の撃鉄を起こした。
「何か言い残すことはある?」
怯えながら男が口を開いたとき。
「ま、あっても聞いてやらないけどね」
私は容赦なく引き金を引いた。
あとは掃除屋を呼んだのでちゃんと片付けてくれるだろう。
「さ、任務完了です。早く帰って報告書書かないと」
「だな」
私は中也さんの運転する車の助手席に乗るが…。
ダメだ、眠い。
「久しぶりだし疲れてんだろ。着いたら起こしてやるから寝とけ」
「はい…」
正直限界だった私はすぐに意識を手放した。
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宮沢賢治
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風鈴(プロフ) - ドルチェさん» ありがとうございます!これからまた1日1話更新を心がけていきたいと思いますのでよろしくお願いします! (2016年6月1日 21時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 交信お疲れ様です! やっぱりいいですねぇ、流石です!!次も頑張って下さい!応援してます! (2016年6月1日 6時) (携帯から) (レス) id: 4b2aa12345 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - ドルチェさん» ありがとうございます!アンケートが終わりましたらまた書き始めますのでよろしくお願いします! (2016年5月27日 7時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - 初めまして!!ドルチェと言います。 黒き舞姫、拝見させてもらってます。 私は中也さんと芥川さん圧しです!! これからも頑張って下さい! 応援してます!! (2016年5月27日 6時) (携帯から) (レス) id: 4b2aa12345 (このIDを非表示/違反報告)
風鈴(プロフ) - オルカさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2016年5月25日 20時) (レス) id: 03566c106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風鈴 x他1人 | 作成日時:2016年5月10日 22時