名探偵さんに愛され過ぎているお世話係 が居るらしい【文スト】

十八話 ページ19

事件を解決できても私の仕事は終わっていない。
先刻のは只の付き添い。私の仕事は山ほどある。

少しでも早く終わらせたくて無言で、書類と向き合っていた時だった。


乱歩さんが無言で抱きついてきたのは__



いつもの私なら反応せずに仕事を続けるが、時が時だ。
いや、時の問題ではない。

単純に驚いているから声が出ないのである。



そして やっとの思いで声を出す。



A「ら、乱歩さん これは何の仕打ちですか」




乱歩「 んー Aー」




A「は、はい！何でしょう。あっ駄菓子ですか？駄菓子なら___ 」




乱歩「駄菓子じゃない」



なら何だよって話なんだけど、動揺が隠せない私。
待って、そもそも何で乱歩さんが抱きついてきたのかを考えよう。
何かある筈....駄菓子目当てでは無いとすれば何がある？

疲れたから？いやいや、疲れたら寝そうだよねこの人。だからコレはない__となると私はもう思いつかない。
乱歩さんは 何を求めてるの、全然判らない！

いや、もしかしたら意味なく抱きついてるとか..... あり得る。これが一番あり得る。




太宰「Aちゃーん、この書類____ 何やってるの」



最悪だ、他の人ならまだしも 太宰さんだけには気付かれたくなかった。



太宰「あっ....真逆お取り込み中？ごめんね、今 居なくなるから」




A「やめて下さい、貴方他の人に話すでしょう。それにお取り込み中じゃないです。乱歩さんが一方的に抱きついて来てるだけですから、勘違いしないでください！！」




乱歩「A 大声出さないで」




A「ハイ.. 」



なんで私が怒られないといけないの。

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