4話 ページ5
上宮side
特別クラスにみんなでいると、江川先生が教室に入ってきた。
どうやら新しい生徒が入るらしい。
先生が前に来いと言うので、ガタガタと席を立った。
新しい生徒の女子が後ろに立っていた。
大人しそうな子だが、何故か和臣を睨んでいる。何かしたのか?
そう疑問に思っていたら、先生が私たちの紹介を始めた。
「紹介するぞ。はしから、上杉和典」
和典、貴和、和彦と順に紹介されていき、次が私だった。
「で、このクラスの唯一の女子、上宮A。クラスは三谷Cで、英語が得意で常に1位。あー、算数も得意だが、トップは上杉だから万年2位だな。こいつは欠席が少し多いのと、国語が他の科目より点数が少し低いせいでこのクラスにいる。ちょっと気分屋だ」
「先生、万年2位とか気分屋とか必要ないでしょ」
何で少し貶されてるのさ。
むくれていた私の横で、和典が少し笑う。
「拗ねるなよ、気分屋さん」
「うるさい、少し気まぐれなだけよ」
最後は和臣だった。
和臣の紹介が終わると、新しい生徒の紹介をした。
「この子の名前は、立花彩。クラスは受験Bだが、国語がバツグンにできるから、今週から特別クラスに参加する。なかよくしろよ」
私を含めみんなが立花さんを見つめた。
仲良くしろと言われても、煩くて面倒じゃなかったら別にいい。
「これからは、おまえらだけのノリはやめるんだ。いいな」
はあ、面倒くさい。私はその意を込めてため息を溢し、和臣たちはつまらなそうなため息を溢し教室中に広がった。
先生は立花にテキストことなど必要事項を言って、ドアから出ていった。
立花さんはその後に続いて出て行こうとすると、和臣が呼び止めた。
「立花」
「あいさつは?」
はあ?
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作者名:ゆきしま | 作成日時:2021年3月25日 17時