儚き天使【賢者の石】 (ページ23)

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翌日、マグル学の授業があった。

意識してみると、クィレルは確かにAの方をよくみている。

よく意識しないと分からないくらいのこの差、ミリセントはすぐに気付いた。

その一方で、何も気付かないAは、平然とドラコ達と話している。

授業後はドラコ達がAをすぐに連れていってくれるおかげで、特に何も起こらず時間が過ぎていった。

そして昼休み、罰則が終わったドラコ達と一緒に、Aは中庭でお喋りをしていた。

『クィディッチの試合？』

「あぁ、あのポッターが出る初試合さ。いい見世物だと思わないか？」

「一緒に見に行きましょ！」

相変わらずハリーを敵視しているドラコに、獅子寮が嫌いなパンジーは、ハリーがズタボロにされている姿を想像しているようで、ニヤニヤが隠せていない。

Aはため息をつきながらも、クィディッチと聞いてワクワクしていた。

小さい頃寝たきりだったAに、ドラコがよくクィディッチの話をしてくれていたのだ。

『ぜひ、見に行きたいわ』

Aの返信を聞いてドラコの顔が、ぱぁぁ！と明るくなった。

そしてペラペラとクィディッチの歴史やルールについて話しだしたので、Aとパンジーは大人しく話を聞くことにした。

しばらく話を聞いていると、A達の方を見て、ウロウロとしている人物がいる事に気づいた。

始めは放っておいたが、一向に話しかけてこないので、Aは仕方なく声をかける事にした。

『私達になにか用事ですか？』