検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:23,338 hit

17 ページ17

Aが目覚めたのは、トロール事件の2日後だっただった。

始めは頭に靄がかかったように何も考えられなかったが、手に違和感を感じてベッドの側に目をやった。

そこには、Aの手を握りながら眠っているドラコとパンジーの姿があった。





『……っ、』





起き上がろうとするが、手に力が入らず上手く体が上がらない。

そこに、マダム・ポンフリーがカーテンを開けて入ってきた。

そして、大きな瞳が開いていることに気づくと目を見開いた。





「Ms.ブラウン!貴女いつ目が覚めたのです!痛いところはありませんか?具合はどう?」





『マ、マダム・ポンフリー…そんなに慌てなくても私は大丈夫です…』





Aはマダム・ポンフリー勢いに若干引きながら、起きあがろうとした。

しかし、その大声でドラコとパンジーが目を覚ましてしまった。





「え、な、A…??」





「A!!貴女大丈夫なの?!」





目を覚ましたばかりで意識がはっきりしていないドラコに対して、パンジーはAが起きていることに驚いている様子だ。





『私は大丈夫、何をそんなに心配してるの?』





困ったように眉を下げるAに、3人は目を合わせた。





「何も覚えてないの?」





パンジーが心配そうにAをみた。

Aは覚えていないわけでは無いのだが、そんなに心配されては不安になってしまう。





『そういうわけじゃ…』





「足は、もう痛まないか?」





『…足?』





そういうと、Aはかかっていた布団を剥いだ。





『あぁ、なんか痛いと思ったら…』





「ちょっ、血!!マダム・ポンフリー!!」





そこには、開いた傷口から流れた血が、包帯に滲み出ていた。

それを見たドラコは、巨大な蜘蛛を見たかのように顔を強張らせ固まってしまった。

パンジーに呼ばれたマダム・ポンフリーは慌てて包帯を持ってきた。





『そんなに慌てなくても、血が出ただけですよ』





「血が出ただけって…」





パンジーは、呆れたようにAを見つめた。

ドラコはまだ固まっている。





「Ms.ブラウン、今週はここで安静にしといてくださいね。」





マダム・ポンフリーはそういうと、普段の業務に戻っていってしまった。

18→←16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
264人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ココ | 作成日時:2022年1月6日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。