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Aが目覚めたのは、トロール事件の2日後だっただった。
始めは頭に靄がかかったように何も考えられなかったが、手に違和感を感じてベッドの側に目をやった。
そこには、Aの手を握りながら眠っているドラコとパンジーの姿があった。
『……っ、』
起き上がろうとするが、手に力が入らず上手く体が上がらない。
そこに、マダム・ポンフリーがカーテンを開けて入ってきた。
そして、大きな瞳が開いていることに気づくと目を見開いた。
「Ms.ブラウン!貴女いつ目が覚めたのです!痛いところはありませんか?具合はどう?」
『マ、マダム・ポンフリー…そんなに慌てなくても私は大丈夫です…』
Aはマダム・ポンフリー勢いに若干引きながら、起きあがろうとした。
しかし、その大声でドラコとパンジーが目を覚ましてしまった。
「え、な、A…??」
「A!!貴女大丈夫なの?!」
目を覚ましたばかりで意識がはっきりしていないドラコに対して、パンジーはAが起きていることに驚いている様子だ。
『私は大丈夫、何をそんなに心配してるの?』
困ったように眉を下げるAに、3人は目を合わせた。
「何も覚えてないの?」
パンジーが心配そうにAをみた。
Aは覚えていないわけでは無いのだが、そんなに心配されては不安になってしまう。
『そういうわけじゃ…』
「足は、もう痛まないか?」
『…足?』
そういうと、Aはかかっていた布団を剥いだ。
『あぁ、なんか痛いと思ったら…』
「ちょっ、血!!マダム・ポンフリー!!」
そこには、開いた傷口から流れた血が、包帯に滲み出ていた。
それを見たドラコは、巨大な蜘蛛を見たかのように顔を強張らせ固まってしまった。
パンジーに呼ばれたマダム・ポンフリーは慌てて包帯を持ってきた。
『そんなに慌てなくても、血が出ただけですよ』
「血が出ただけって…」
パンジーは、呆れたようにAを見つめた。
ドラコはまだ固まっている。
「Ms.ブラウン、今週はここで安静にしといてくださいね。」
マダム・ポンフリーはそういうと、普段の業務に戻っていってしまった。
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作者名:ココ | 作成日時:2022年1月6日 12時