儚き天使【賢者の石】 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:23,334 hit

11 ページ11

しかし、試してみる価値はあると思い、Aはドラコに注意することにした。

『ドラコ！煽ったりなんかしてないで降りてきなさい！馬鹿に見えるわよ！』

グリフィンドールは、Aの口の悪さに目を見開いた。

天使の口から出てくる言葉とは思えなかったのだ。

一方、ドラコを囃し立ていたスリザリン生は、自分にも言われている気がして一気に静まり返った。

ただ、パンジーだけは、Aの隣で、そうだそうだ！と叫んでいる。

ドラコも自分のしている愚かさに気付いたのか、はたまたAには逆らえないのか、ぐっと眉を寄せた。

「…ポッター、取り返せるかな？」

そして最後に、思い出し玉を思い切り投げ、ハリーがそれを追っていったのを見ると満足そうに降りてきた。

『…ドラコ、貴方そんな性格だったかしら』

Aは、もはや軽蔑したような目をドラコに向けた。

Aが知っているドラコは、優しくて気遣いができて、少し不器用な可愛い少年だったのだが、それは幼馴染限定の対応だったようだ。

ドラコはその大切な幼馴染から出ている氷点下の雰囲気に気付くと、気まずそうに目を逸らした。

そこに、思い出し玉を持ったハリーが戻ってきた。

ドラコは悔しそうな顔で賑やかなグリフィンドールを見つめていたが、そこにマクゴナガル先生が来てハリーを連れていった事で、その顔は満面の笑みとなった。