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54話 ページ6

「おはよー、ございます……」


「ああ、お早う……どうした小僧」


「昨日寝過ぎて夜に全然寝れなくて寝不足です」




頭を掻き乍ら云ったら国木田さんはそれはそれは深い溜め息を吐いた


呆れますよね、解ります




「はぁ……俺達が休ませた意味とは……」


「本当に済みません」


「だが責めても何の収穫も無い。気を引き締めろ」


「はい」




肩をに手をぽんっと置いて仕事に戻った




「やぁ敦君!」


「あ、乱歩さん。おはようございます」




国木田さんと入れ違いで今度は乱歩さんが挨拶代わりに手をひらひら振ってやって来た

ご機嫌だなぁとか思ってたら此方をじっと見てくる。そしてほんの少しだけ眉が動いた




「何、その隈」


「話聞いてませんでしたか?寝不足です」


「……お話、しようか」




先刻までの上機嫌はどこへやら。今は少し真剣な顔をしている




「あの〜、拒否権は……」


「ある訳ないじゃん。国木田ぁー、奥の部屋借りるよ」


「…?はい」


「……」




もう何の抵抗もせずに腕を引かれて歩く


逃げたら多分乱歩さんが悪化する




本当に奥の方にある部屋……資料室、か?


バタンッと音を立てて扉を閉めて、腕を離した




「さぁて、その隈の原因は?」


「黙秘権を」


「ありませーん」




私の人権はどこに?




「そんなに口を割りたくないなら例を出そう。そうだな、危機的状況にあった。とか」


「……もう判ってるじゃないですか」


「いーや?僕はそれしか判らない。君の口から聞かなきゃ真実なんて見えないよ」




云っても良いのかなぁ……


幾ら私の存在を認識しているとはいえ、流石に……




「太宰が知ったら……」


「!」


「君はどんな尋問をされるんだろうね?」




それは無いよ乱歩さん


短く溜め息を吐いて口を開く




「実は…………」




昨日の夜にあった出来事を全て話した

何一つ隠していない




「はぁぁ!?バレそうになった挙句にその日会った男に頬にキスされたぁ!?」


「ちょっ、声を抑えて下さい」


「だから寝不足なの!?」


「そうですね、バレそうになったのが凄く怖くて寝れませんでした」


「キスの方を気にしなさい!」


「痛てっ」




本人は頭を軽く叩いた心算だろうけど、割と痛かった


てか何で乱歩さんがこんなに怒るのさ




「女の子でしょ!?そういう事はちゃんと気にしなきゃ!自分の事を大切に!」


「……あまり気にしな」


「しろって云ってるの!」

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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時

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