55話 ページ7
乱歩さんとの話が終わって部屋を出ると、国木田さんが仁王立ちして待っていた
「おい小僧、目覚めたぞ」
「……?」
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国木田さんについて行けば、目を開けたまま横になっている鏡花ちゃんが居た
「……大丈夫?ええと……ここは探偵社の医務室。工合どう?」
「……」
「娘、黒幕の名を吐け」
すげー、ド直球。遠慮も何も無いね
「……」
「マフィアの部隊は蛇と同じだ。頭を潰さん限り進み続ける。答えろ、お前の“上”は誰だ」
「く、国木田さん」
「……橘堂の湯豆府」
「へ?とうふ?」
「おいしい」
目付きが怖いし、云い方がキツいから流石に止めようと思ったら鏡花ちゃんがそんな事を云った
お高いんですよ、橘堂
でもそんなの敦が知る訳ないからなぁ……
「……?」
「食わせろと云う事か?」
「食べたら話す」
「なあんだ、良いよその位」
「………」
食べさせる事を約束すると国木田さんが、嘘だろ此奴……みたいな顔で見てくる
断りたい気持ちは山々だけどさぁ、無理じゃん
この子も約束はちゃんと守る子だし
……暫くは節約だな
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「零が桁違い……」
「連れて行くと云ったのは貴様だ。俺は払わんからな」
「おかわり……いい?」
マジか
それは狡い
若干上目遣いでお願いするのは狡いと思う。可愛いの少し弱いんだよ、私
「いい、よ」
「……小僧、大丈夫なのか?」
「あは、アハハ」
敦、よく払ったな
「お客様はお決まりですか」
「……お冷で」
お金、足りるかな……
それで鏡花ちゃんは食べ終わったらちゃんと話してくれた。約束通り
孤児になった彼女を異能目当てにマフィアが拾い、暗殺者に仕立て上げたと
彼女の『夜叉白雪』は電話からの声だけ従うからだと話してたな
携帯電話を捨てたら捨てたで彼女は殺されるし、マフィアを抜けても行く処がない……だって
この歳にしては重いモノを背負い過ぎだ
って、敦なら思うんだろうな
「電話でその夜叉を操っていたのは誰だ」
「……芥川という男」
「……そうか、俺は先に社に戻って報告する。……敦」
国木田さんは立ち上がって此方に来いと云うように顔をくいっと動かした
向かったのは部屋の外、詰り廊下だ
その間、鏡花ちゃんは一人だけど、彼女なら逃げないだろう
一緒に廊下に出ると国木田さんが口を開く
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時