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34話 ページ36

国木田side



はい。その一言を云い終えて小僧は目を瞑り、躰を傾けた

目の前に居た俺は必然とそれを受け止める形になる




「国木田くーん、終わったよ」


「あぁ。おい小僧、起き………」




何だろうか、何かが違う


此奴は再生能力を持っているから傷は塞がる。かと云って服の血が消える訳では無い




「小僧……?」




直観的に小僧の背中に手を回す

ぬるっとした生温かい感覚


手を見てみれば、真っ赤に染まっていた


シャツのシミは広がる一方


それは流れ落ち、俺の足元まで……




「国木田君、どうした?あ、もう敦君、こんな処で寝、るな、ど………」




太宰の顔が青くなった事で漸く確信が持てた




「太宰、車を出せ!!」


「判ってる!!」




此奴は異能を使ってない



服を捲れば背中から腹部にかけて直径五糎ほどの穴が空いていた

鋭利な何かに貫通した様に



小僧を持ち上げて急いで走る。太宰は既に居ない


下に降りれば太宰が後部席の扉を開けて立っていた


俺は敦を座席に横にする




「私が触れたら異能は解除されてしまうから私が運転する」




一瞬にして血の気が引いたのが自分で判った


今なら貧血で悩む者の気持ちが判るかも知れん




「……頼んだ」




俺は後部席の足元の部分に座り、敦を支える


理由は奴の生む地獄から守る為だ




「吹っ飛ばすよっ!!」




巫山戯るなと頭を殴ってやりたいものだがこんな状況じゃそんなの不可能だ



地獄の住人でも恐ろしいと思うであろう


これを乗った後にどれだけ速く、怖いと評判の遊園地の絶叫系を乗る事など蚊を潰すより容易いと感じるだろう




___






__





_




何もせずとも無意識に震える全身に鞭を打って敦を運ぶ


太宰は先に階段を駆け上がり、与謝野女医を大声で呼んだ




「与謝野先生っ!!」


「何だい、騒々しいねェ。太宰が妾の名前を叫ぶなんて珍しいじゃないか。雨でも降らす気かい?爆弾の件は済んだンだろ………っ!」




与謝野女医は俺の腕の中に居る敦を見ては顔色を変え、目付きを鋭くし、奥に運ぶように云った


若干額に汗をかいていたのが見えた

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- 初めまして。小説読ませていただきました。作風が悠りんさんと同じ気がします。作成日が悠りんさんは2016年のんのさんが2017年なので・・・とてもいい作品なので参考にするのはとてもいいと思いますが、あまりにも酷似するのは良くないかと。 (2019年10月25日 17時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
- 蟻酸さん» 他の作者さんも敦くんの成り代わり設定のものを書いてらっしゃる人も多いです。それに、別に本誌にないくだりを考えていれてもいいのでは?本誌と同じようなものばっかりでは、あまり面白くないと私は思います。前のコメントに長文失礼しました。 (2019年3月30日 15時) (レス) id: d703cd32c3 (このIDを非表示/違反報告)
- 蟻酸さん» のんのーーさんではありませんが失礼します。悠りんさんの作品は確かに成り代わりですが、のんのーーさんの作品は確かに成り代わりという形ですが、二重人格です。文豪ストレイドッグスが人気なため、成り代わりという設定が似てしまうのは仕方がないと思います。 (2019年3月30日 15時) (レス) id: d703cd32c3 (このIDを非表示/違反報告)
蟻酸 - 悠りんさんの作品に酷似してる気がします。特に19話の「歩きづらい」からが本誌にはないくだりです。その他にも似ているところが多々あるのでリスペクトするのも程々になさって御自分のストーリーを書いてください。私はのんのーーさんが考えたストーリーを読みたいです (2018年11月24日 12時) (レス) id: ee7a50357d (このIDを非表示/違反報告)
るー - 顔文字使ってないの良き。 (2018年11月19日 22時) (レス) id: 17e5b43388 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年9月19日 0時

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