【文豪ストレイドッグス】私は君で、君は君

29話 ページ31

外に出てみたら軍警やら消防隊やら救急隊やらが沢山居た。国木田さんが呼んだのだろう。消防隊や救急隊は爆発の後にだと思う

背中に居る女性を軍警に引き渡した




「あの女性は誰なんだ」


「判りません。僕が行った時には亡くなってました」


「……死因は判るかい？」


「頭から血を流していました。それだけで死因を判断するのはアレでしょうけど……」


「だとするなら撲殺か射殺だな………それでだ、小僧」




あ、これはあれじゃないか

何か叱られるやつ




「貴様、何故一人で行動した！若しあの場に爆弾があったとしたら死んでたのだぞ！！」


「知らぬ場で単独行動は確かに危険だねぇ」




ほらな




「……済みませんでした」


「新人社員が現場で単独行動なんて初耳だぞ！若しもの可能性と他人にかかる迷惑というものをだなぁ！」


「まぁまぁ国木田君、敦君も十分反省しているのだよ？それに私達も一回喝を入れた。それで良いじゃないか」




……なぁ敦、お前ならこういう場面はどう対応するんだ？

苦笑？失笑？安堵の表情？


それに……否、何でもない



話は変わりあの女性、おそらく取り引きしている組織の一人だと思う。あくまで勘だ

何故殺されたのかは……多分、仲間割れか何か



轟々と燃え盛る炎が消される廃病院を視界に入れ乍らそんな事を考えていた

我ながら随分と客観的だ


私が居た世界ではそれが自分の中で当たり前になっていた

その影響かな。敦の姿でその表情が出てなきゃいいけど……


そもそも今日は既に敦に戻ってた筈なんだよ

それに折角死ぬ機会があったのに死ねなかった……まぁ人を背負ったから仕方ないんだけど




「ねぇ君もそう思うだろ？敦君。……敦君？」


「ぅえっ？あ、はい！」


「聞いて居なかっただろう。酷いなぁ」


「アハハ、済みません」


「はァー、折角黄泉の国について熱弁していたのに君って子は……」


「……」




何故そうなった




「小僧、此奴の戯言など聞かんでさっさと戻るぞ」


「あ、はいっ！」




国木田さんの後を負い、何時の間に呼んでいたタクシーに乗り込む




「二人共酷くないかい……？」




太宰さんも勿論後から乗ってきた

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