19話 ページ21
多分敦の本能が泣いた
その涙を拭いて片付けを手伝う
床に落ちたものを拾っていたら、目の前に落ちた本を乱歩さんが踏んだ
……この人は手伝う気なんて更々無いからなぁ
「乱歩さん、足を退けて下さい」
「ん?おっ、これは失礼。はいどうぞ」
「ありがとうございます」
本を拾って棚に戻す
矢っ張り手伝う気は無いらしい
その間に乱歩さんを褒める時間が少し設けられたがそんなの気にしない
所々聞こえる『超推理』というのには首を動かして反応する
「小僧、ここはいいから乱歩さんにお供しろ。現場は鉄道列車で直ぐだ」
「ぼ、僕がですか……?何故です?」
「僕、列車の乗り方判んないから」
御自慢の糸目でニッとした笑顔を浮かべて腕を引っ張って進むが、止まった
「………歩きづらい」
「え?」
何かが不満だったようで、ムスっとしていた
そして腕を掴んでいた手を下に下げて、今度は手を掴んだ
「善し、しゅっぱーつ!」
「えっ、ちょっ!?」
手を繋がないで歩くのが一番歩きやすいと思います
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乱歩さんは本当に何も判らなかった!
どう切符を購って、どう改札を通って、どの鉄道に乗るか……兎に角凡て
何で頭が良いのに判らないんだろうか……
乗り物に乗るのにこんなに苦労したのは初めてだ
当の本人は席に座ってラムネの中にあったビー玉を光に透かして楽しんでいる
「はぁ……」
「敦君さ」
「何ですか?僕は今、物凄い疲労感に襲われて……」
「君、二重人格だったりする?若しくは多重人格」
「!」
乱歩さんは此方に顔を向けてはいなかった
何だろう、疲れが一気に吹き飛んだ
「何ですか?その冗談。あっ、面白いっちゃ面白いですよ?」
「ふーん」
何故か乱歩さんとは目を合わせてはいけない気がした
凡てバレそうな気がするからかも知れない
判らないけど、そんな予感がする
「何か隠してるでしょ」
「らっ、乱歩さん!?」
急に顔を近付けてきたから思わず顔を離した
でも何時の間にか後頭部を掴まれていたらしく、程良い距離と云うのをを保つのは無理らしい
「教えてよ」
「っ」
普段は見えない綺麗な緑色の瞳が此方の目を覗く
目が合ってしまった
「か、かか隠し事っ……だなんて、そんな……」
「違う」
額がくっ付いて距離が更に近くなる。鼻が付きそうだ
「君じゃないよ」
「何…の、事ですっ……」
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或 - 初めまして。小説読ませていただきました。作風が悠りんさんと同じ気がします。作成日が悠りんさんは2016年のんのさんが2017年なので・・・とてもいい作品なので参考にするのはとてもいいと思いますが、あまりにも酷似するのは良くないかと。 (2019年10月25日 17時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 蟻酸さん» 他の作者さんも敦くんの成り代わり設定のものを書いてらっしゃる人も多いです。それに、別に本誌にないくだりを考えていれてもいいのでは?本誌と同じようなものばっかりでは、あまり面白くないと私は思います。前のコメントに長文失礼しました。 (2019年3月30日 15時) (レス) id: d703cd32c3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 蟻酸さん» のんのーーさんではありませんが失礼します。悠りんさんの作品は確かに成り代わりですが、のんのーーさんの作品は確かに成り代わりという形ですが、二重人格です。文豪ストレイドッグスが人気なため、成り代わりという設定が似てしまうのは仕方がないと思います。 (2019年3月30日 15時) (レス) id: d703cd32c3 (このIDを非表示/違反報告)
蟻酸 - 悠りんさんの作品に酷似してる気がします。特に19話の「歩きづらい」からが本誌にはないくだりです。その他にも似ているところが多々あるのでリスペクトするのも程々になさって御自分のストーリーを書いてください。私はのんのーーさんが考えたストーリーを読みたいです (2018年11月24日 12時) (レス) id: ee7a50357d (このIDを非表示/違反報告)
るー - 顔文字使ってないの良き。 (2018年11月19日 22時) (レス) id: 17e5b43388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年9月19日 0時