また会えるはずだから ページ26
「お兄ちゃん!...なんだった?」
家に入ると蛍だけではあったが、すぐそこで迎え出てくれた。
『う〜ん、あんまりいい話では無かったかな。それでも聞いてくれる?』
静かに頷いてくれた。ありがとう、とそっと頭を撫でながら二人でその場に座る。
『また柴庭さんのところに戻ることになったんだ』
「三人で?」
『ううん、蛍とリリィはここに残るんだって』
「え...」
不安と心配とがまじりあった様な心許ない声が零れた。
「いつ帰って来るの?」
『わからない。もしかしたらもう...』
言葉がそれ以上続く気がしない。きゅっと噛まれた唇を見て、蛍は叫んだ。
「そんなことない!」
「お兄ちゃんが帰ってこれなくなっても...大きくなって、一人でも遠くに行けるようになったら私が会いに行く!私がダメでもリリィちゃんが行ってくれる。だから...!」
「お兄ちゃんもそれまで頑張って!絶対会えるから、三人でまた一緒に居られるようになるまでお兄ちゃんも待ってて!」
涙をグッとこらえ、服の裾を引っ張りながら、持てる全てで"俺たち"を鼓舞した。
そうか、この子はきっと......
『楽しみにしてるよ。また三人で暮らすの』
どん底の中、ほんの一瞬に見た灯である。
ーーー
作者は蛍ちゃんすき。
蛍ちゃんって実は「つらいねおたがいにね」のEPで茶屋に呼ばれたとき柴庭が夢ちゃんにした仕打ちについて「君の代わりに君の兄さんがこんな目に遭ったんだよ」的なことを言って、蛍ちゃんのアーマーブレイクを図ってるんですよ。
リリィちゃん程ではないけど精神崩壊おこしていて、今回夢ちゃんだけが招集かかったって事でまたなんか酷いことをされてしまうかも知れないってそれこそ泣きそうになりながら聞いてたんですよ。
それども皆でまた笑いあいたいって強く希望を持てたのはせめて自分は明るくふるまわなきゃって思ってたわけで、実際「なんか嫌な気分だ」のEPの時も帰ってきて一人何も起きてないかのようにふるまってたのだって二人そろって暗くしてたらお兄ちゃんにもっと負担がかかっちゃうって考えてたからなんですね。
こんな長文書いて何が言いたいかっていうと蛍ちゃんって空気を変に読みすぎて自滅しちゃうのかわいいね。かわいそうなのかわいいねってことです。
訂正しましょう。作者は蛍ちゃんが好きではなくかわいそうなのが好きです。
(ここだけで912文字)
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:男主愛好家 x他1人 | 作成日時:2020年11月1日 13時