FIVE！6 〜 ARS 5shops story 〜

216　二宮 ページ10

最近 潤くんの様子がおかしい

ついこの間までは

『しょおくんに チャコールグレーのニットパーカーをプレゼントしたんだ』とか
『それが すげ―似合っていて 超カッコいいんだ』とか

『しょおくんにお気に入りの焼酎を 教えてもらったから
　最近は そればっかり飲んでいるんだ』とか

『今度 一緒に飲む約束したんだ』とか
『つまみになるものも 考えなくちゃ―』だとか
『しょおくん専用のグラスも 用意したほうがいいかな？』とか


――-とにかく

デレデレと 頬を緩ませて シアワセそうに笑う潤くんから
『しょおくん』に関するノロケ話を 延々と 聞かされていたのに

最近は オレの顔を見るたびに
『はぁ――』と 大きなため息をついている


そのくせ


『なに？ どうしたの？』と 声を掛けても

『…いや べつに なんでもない』 …としか 言わなくて

また『はぁ――』と 大きなため息を残して
うつむいたまま オレの前を 通り過ぎていく


『はぁ――』が 5回続いた日には さすがのオレも ちょっとイラついて

「―ちょっと！
　
　なにがあったのかは 知らないけど
　もー いい加減にしなさいよ！

　ため息つくたびに『シアワセ』が 逃げていくでしょうが―！」


久々に 『ガツン』と一発 かましてみたけれど
潤くんは こくんと 小さく 頷くだけだ


『押してダメなら 引いてみな』…ってコトか？


「…ねぇ？ 何かあったの？
　
　オレでよければ 話くらい 聞くけど？」


そう言葉を掛けると やっと 顔をあげた潤くんが
泣きそうな顔で ふわりと 笑った

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