FIVE！6 〜 ARS 5shops story 〜

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『しょおくん この頃 なんだか 浮かれてない？
　いつもより 楽しそうにしてると思わない？』


そんな風に 聞かれたけれど その言葉の意味が解らなくて
しばらく じっと考えてみたものの
オレには 翔ちゃんの変化は 全然 全く 見て取れない

でも 潤くんの目には そう見えているんだから
きっと 『何か』が あったんだろうなとは 思った


「オレには 良くわからないけど
　
　…そうなの？」


潤くんは 黙ったまま 小さく頷くと
グラスの中の焼酎を 一口 こくりと 口にして オレの顔を見ずに 話し始めた


「長谷部君が
　休暇を取って ドイツから 帰ってくるらしいんだ」

「長谷部君って？ 誰？」

「―あ？ 前に 話さなかったかな？

　中学の頃 しょおくんは みんなの『お姫様』で
　その隣りには いつも お姫様をを守る『ナイト』がいた…って話

　その 絶対的『ナイト』が 長谷部君

　―多分 今でも しょおくんの 一番近くにいるだろうヒト』


それだけ言うと 今にも泣きそうな切ない目をして
グラスの中身を ぐっと 一気に 飲み干した



翔ちゃんと潤くんの間には 今でも
『2コ上の 部活の先輩と後輩』…という 大きな壁がある


一緒に汗を流して 戦ってきた 体育会系の上下関係は 絶対で
その絆の強さを 羨ましいと思うときも あるけれど

でも そのせいで

潤くんは いつまでたっても
翔ちゃんとの距離を 縮められないような気もする


潤くんにとって 翔ちゃんは
『憧れの 2コ上の先輩』…って だけじゃないのに


絆が強い分だけ その壁を乗り越えるのが 難しいのかもしれない

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