【銀魂】難あり波もあり

流れの変動 ページ3

願いを言えば、早いとこここから立ち去りたい。・・あ、いや。まだダメだ。お目当のチケットを手に入れるまでは。でもこのまま沖田さんと向き合っていたら、また変な流され方をしてしまう。それはちょっとなぁ。



ーーなんて、巡る葛藤は何の答えを導くことはなく






「まあ大方、万事屋の旦那へのアプローチの仕方を
考えてたってとこですかねィ」

「・・・決めつけはよくないかと」

「あんた嘘つけねータイプでしょ」


「・・・」




本当に、一癖も二癖もある男だ。
全く勝てる気がしない。そりゃ現役の警察だし
観察眼に優れていなければいけないんだろうけど
善良な市民に発揮しなくてもいいじゃないか。






「旦那が甘党だからスイーツで釣ろうって
作戦ですかィ？相変わらず平凡思考極めてますね」

「釣るだなんて人聞きの悪い・・」




この場合、平凡思考ってのは別に悪いことじゃ
ないと思うんだ、私は。

確実に喜んでくれるであろう安全策に
走ることは当たり前だ。






「まあ、あの腐ったひねくれ侍があんたみてェな
女と交わるってのァなかなか面白ェ事案ですしねィ
ぜひ頑張って欲しいです」

「さっきから言い方に悪意が見えます」

「一つアドバイスするとしたら、ウダウダせず
とっとと伝えちまうことでさァ。下手に時間が
経てば、いろいろ考えちまって結局ひっこむ奴が
ほとんどですからね」


「そ、そうなんですか」





ーーって、最後の最後になんてアドバイスを。
普通に納得しちゃったじゃないか。

いやはや、それがまた普通に理にかなったこと
いうものだから厄介だ。いやでもなぁ、18歳という
齢ながら、この人はモテるんだもんなぁ。
私なんかより恋愛を見てきてるんだろうなぁ。





「ってェことで、一般的な結末に落ち着くのだけは
やめてくだせーよ」




最後の一言はまさにトドメだ。

だがしかし、彼のアドバイスに従うと
結果どうなるだろう。スイーツバイキングに誘うところまではいいとして。

ただ彼と過ごす時間を作りたいという密かな願いだったはずが、いつのまにやら一気に告ってしまえ的な流れになっていないだろうか。



相変わらず人目を惹きながら、優雅に立ち去った
沖田さんの後ろ姿が見えなくなったところで、






(ーーーひとまず、チケットだ)




キラキラ女子たちで為された列へと、
足を進めた。

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