【銀魂】難あり波もあり

生物種超越 ページ2

待っていても始まらない。こういうことは、自分から動くしかないのだ。ーーということで、石橋を叩いて渡るのはやめよう。


そんなこんなで深呼吸。目の前に現れたのは、
最近有名なスイーツバイキングの店。





「・・まずはチケットを手にいれる」



こんな誘い方は、これまたありきたり。普通。

確かにナイスアイデアじゃないかもだけど、
こういう場合において手練れではない私には
これくらいの難易度がちょうどいいのだ。








「ーーAさん？」

「・・ほえ？」




気合を入れ直し足をすすめようとした最中、
一つ声がかかった。嫌な予感が急上昇する。
後ろなんて振り向きたくない。面倒ごとになる気配
しかないからだ。ーーが、そんな切実な願いなんて
なんのその。大魔王はモノともしない。






「何してるんですかィ？真っ昼間に女が一人、
スイーツ店の前でうろついてるってのァ、
いささか体裁が悪いですが」


「・・・奇遇ですね、沖田さん」




そんなことわかってるさ。もう20代を迎えた私が
一人で真剣な顔してスイーツ店を眺めてるなんて。

指摘を毒増し増しで吐いてみせたその人。
振り向けば、やはり会いたくなかった知った顔。


春を乗せた温かめの風に髪を揺らす彼は、
ニヤつきと企みを駄々漏らしにして、近寄ってくる

現在進行形で人目を惹いている男性が私の方に。
そんなスイートな状況も、今はただの死亡宣告。





「入らないんですか？」

「・・入りませんね」


「あ、もしかして一人で入店することに
抵抗感じてるんですかィ？別にお一人様でも
いいじゃねェですか。友達いない奴だって
スイーツバイキング味わうくらい許されますって」

「お一人様嘆いてるわけじゃないです！」


「ババア手前の成人女性がスイーツ食ってても
俺ァ何も思いやせんぜ」

「貶したいんですか？慰めたいんですか？」


「貶してます」
「ですよね」




どうやら、今日は救いがない

なんたって沖田さんは私服。
大方非番ってやつだろう。つまり、いつもこの人の
サボりを戒める副長さんの登場も期待できない。






「ーーーんで、本当は？」

「い、いえ、・・なんとなく美味しそうだなぁと
見ていただけです」

「どうにもそんなツラにゃ見えませんでしたが」

「えっ、どんな顔でした」

「メスに興奮するオスゴリラ」


「・・・生物種超えてました？」



ていうか、何でこの人私がスイーツ店眺めてること
こんなに追求してくるの！？

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