【銀魂】困惑必須の受愛物語

ゴキブリホイホイ ページ5

ー神威サイドー





「ーーーどうすんだ？あの女ァ」




仕事が残っているからと、そそくさと出て行ったAの背中。扉で遮られ見えなくなったそれに、ぽつり、シンスケが呟いた。




「どうするって、ーー近々俺のものにするさ。
お前は手を出すなよシンスケ」


「いらん。俺ァじゃじゃ馬は趣味じゃねェ」




そうだろう。この男が、自分の支配が及ばない
女をそばに置くはずもないだろうから。

ーーーけど、残念だ、シンスケ。






(・・・Aの魅力がわからないなんて)







久々にあったこの男が、少しも変わっていない
ことを確認できた。ーーそうして、どうやら
これからも変わりそうにない。

その鋭く光る目が何を見ているのか、
その怪しく溢れる笑みの裏で、どんな野望を
暗躍させているのか。そんなものに興味はない


俺たちはただ、利用し利用されるだけだ。






「ーーーで、例の件、上手くいくの？」

「さあな。・・その内通者とやらが利口なら、
すぐにでも行動を起こすだろうよ」




今日、この男を船に招いた理由は、何も世間話のためではない。俺なりに、手っ取り早い問題の解決策を見つけようってだけだ。





(・・働くのは、ごめんだからネ)






あくまで、害虫駆除はスムーズに。






「ゴキブリホイホイにひっつくのを待つより、
罠張って、のこのこ出てきたところを捕まえて
自らスリッパで叩き潰す方が確実だもんネ」


「・・相変わらず意味のわからねェ野郎だ」





「だがまあ、そういうこったな」と。
シンスケの笑みが深まったところで、
俺もまたその隣で、静かに目を細めるのだった

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