【銀魂】困惑必須の受愛物語

客 ページ2

何もない部屋。ただ数個の窓を携えた部屋で、私は窓枠に頬杖をつき、ため息を吐き出した。






「ーーーま、そうだよね」




簡単には見つからない。第一、内通者の情報が
少なすぎるのだ。上の人たちが何やら提供して
くれてもよさそうなものなのに。

ただ探せなんて、そんなの無茶すぎる。





着々と宇宙をさまよう船艦。
いつまでも暗くて、果てしなく広くて。

でも、少しの判断ミス、少しの油断で、
この宇宙のチリと化してしまうのだ、私達は。



それを思えば、気を引き締めるしかなさそうだ


一つ深呼吸をした私の耳に、扉の開く音が
小さく聞こえてきて。






「ーーーA、」


「・・、なにか用ですか？」





現れたのは、例のごとく団長である。

今日は大事な話し合いがあるとかで、
違う船艦へ招待されていたらしい。


1日平和でよかったのに、帰ってきやがった。


そいつの顔を、窓越しに眺めながら、
眉をひそめた。







(ーーー変に意識しちゃってるなぁ、)





今は、こんなくだらないことに神経を使ってる
場合じゃないのに。・・こんな兎に、あれやこれやと翻弄されている暇はないのに。


皮肉にもあの日のキスは、私の唇に感覚を
残したままなのだ。







「明日、この船に客を招く」



「え、客？」






満足げな笑みで言い切った団長。
ーーーこんな時に、"客"だって？

しかもこいつの客。ろくな匂いがしない。






「・・今がどういう状況かわかってますか？
一歩間違えれば宇宙の藻屑ですよ」


「わかってるさ。だからこそ、明日の客に
来てもらう必要がある」

「意図が読めません」



「心配いらない。うまくやるからさ」






含むような物言いは、いつも通りだ。
信じられるわけもないし。ただ遊びたいだけ
なのかもしれない。ーーまあ、こいつに遊び友達がいるなんて思えないけど。








「A、ーーこのゴタゴタが片付いたら、
今度こそ本気でオトすから」


「・・・ッ、」




動揺を抑え、反論や言葉を思いつく暇もなく
彼は言いっぱなしてすぐ、部屋を出て行った

客の正体→←情くらいある。

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