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お互いの ページ33

「ーーあ、それと小太郎、いつも言ってるけど」




私の家に向けて足を進め出した今、
思い出したように口を開いたのは私。



「家まで送ってくれるのは嬉しいんだけど、
せめて店の中で待っててよ。
何だか申し訳ないし」





季節的にはこれから暑くなってくるんだし、
冷房の効いた店内の方が快適に決まってる。

わざわざ外に出なくたっていいではないか。



ーーーけれど、小太郎は渋い顔をしていて。






「・・・店内は、ヒヤヒヤして落ち着かん」


「え?今日は冷房入れてなかったけど」
「いやそっちじゃない」




重い口を開くように一度間を置いた小太郎。





「ーーーあの店にいる男の中で、お前見たさに
通っている輩がどれほどいるだろうか」


「え?」

「お前が他の男に笑顔を振りまくところも、
男どもがお前を目で追う姿も、見たくはない」




心なしか、歩くスピードが上がったその人に
ついていくのは、なかなかに大変で。

いつの間にか一歩後ろを歩くようになっている
私に構わず、その人はまた口を開いていて。






「・・・・よって、店内にはいられない」




早口に告げられたその言葉が、至極彼らしくないということ。私の心臓を速める不意打ちには
もってこいだったことだけ理解した。







「・・・ッ、何よ、嫉妬?」

「さあな。その言葉が適切なのかは俺には
判断しかねるが」





いつでも毅然とした態度の小太郎が、ここまで
感情を表に出したことがあったか。

ーーしかも、私のことで。






「・・ふふっ、」




どこか嬉しくなった私は、つい小さく笑みを
こぼしていた。






「何がおかしい」

「いいえ、別に何も」





再び足並みがそろう。ゆったりとしたペースで
歩む道が、いつまでも続きますように。


そんな密かな"願い"が、その人の"願い"でもあればいいな、なんて。

焦がれ、願い→←月夜の晩に



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設定タグ:銀魂 , 桂小太郎 , 攘夷   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月11日 0時

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