【銀魂】時には時間を忘れて過ごすべし

憎たらしい、けど ページ9

全くもって理解不能である。
総悟がどういう意図でそんなことを言ったのか

まさかまた、私をからかおうとしているのか。
それとも言葉の意味の受け取り方が違うのか。





(・・一応、惚れてる身だし)




悔しいの何の。先日認めてしまったものに、
いまだのたうち回りたい気持ちが湧いてくるが
今はそれよりも何よりも、






(ーーーちょっと嬉しい、とか)





馬鹿なんじゃないだろうか。






「・・・おいどうしたィ、顔赤ェぞ」

「ッ、別に？暑いだけだし」


「そうかよ」



こんなにいつも通り、恥ずかしがりもせず渋る
様子もみせず、堂々と言い切ったそいつだが

もし、ーーもしも、・・私が抱くものと似通ったものが、総悟の中にあったとしたら？






「そういうお前だって、寂しかったんじゃねーか。ピーピー泣いてたりしてな」

「・・んなわけないでしょ。スケジュールが
スムーズに進んでいいこと三昧だったわ」




そう。こんな奴、いないほうが世話も焼けず
いいではないか。元々私は、総悟の監視役として真選組に来たわけではないし。

予定が狂う度に寿命が縮まる気がするし。



ーーーとにかく、こいつといると、・・時間が
気にならなくなるから、だめだ。
変にリラックスして力を抜いてしまう。

私の完璧な時間感覚も狂ってしま_____、









「・・・・・嘘。寂しかった、かも」




あぁもう！認めるよ！認めればいいんでしょ！

時間が早く過ぎるのは楽しいからだ。
書類整理なんてしてたら、1分が長く感じるもの。ーーなのに、こいつといると、・・いつも
いつの間にか予定より1分過ぎているのだ。


見上げた先にあった顔。睨み上げるように
見つめてやれば、そいつは、ーーニヤリ。
口元を歪めた。






「・・・だろうな」

「ッ、は？」


「俺が物足りねーと思ってんのに、テメェの方は何とも思ってねーなんざ、むかつくことこの上ねーだろィ」





ほんと、こいつは。ーーそういうことしか
言えないのだろうか。全くもって憎たらしい。

憎たらしい、けど







「ーーじゃあ、その原理でいくと、・・総悟は
私に惚れてるってことにしていい？」


「・・は？」





次に素っ頓狂な声を出したのは、総悟の方で。

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