奇声 ページ15
「やって、しまった・・・」
奴の私に対する扱いはあっぱれという他ない。
そして私の時間への執着もまた然り。
頭をかかえるは布団の中。
もうすでに就寝予定時間は過ぎており、
元来寝つきのいいタイプの私が、ただひたすら
後悔とこれからのことを考え込み、眠れなく
なっているわけだ。一大事。
練りに練った、私にとってベストな睡眠時間。
・・このままでは明日の朝スッキリ目覚めることができない。ーーいや、でも!!
(気にするなって言う方が無理っていうか、)
私の元にあったと思っていた主導権が、
いつのまにか再び魔王の手に戻っていたのだ。
気づいた時には先手を打たれていた。
ーーそのあと、タイムアップをちらつかされた
私に最早選択肢などなかった。反射的に口は開き、「お前に惚れてます」と。
・・・。
「ーーーッ、あぁぁぁあ!!!もう!」
あとせめて10分くらい時間に余裕があれば、
まだ逆転勝利も見込めたものを。
天はことごとく奴に味方してしまうらしい。
何がお前に惚れてます、だ!馬鹿なの!?
もう一度布団に潜って絶叫を奏でる。
あのまま総悟と別れてしまったし、今日は仕事が詰まっていたこともあり、それ以降あいつに
会っていない。
一通り叫び終わった最中_____、
「ーーーオイA、うるせーぞお前」
「ッ、わあああ!!」
「うるせーっつってんでィ」
現在進行形で頭を侵食していた相手の声が
突如として聞こえてきたのだ。普通に反応しろ
という方が無茶である。
ちらりと布団の間からのぞいてみれば、
静かに開いた引き戸の間から、数時間前まで
一緒にいた顔が見えた。
「な、何!?就寝中のレディの部屋に入るなんてどんな神経してんだ変態!!」
「安心しろィ。お前の裸体にも下着にも、
"今日は"、用はねーから」
「・・・いま"今日は"って強調しなかった?」
私の問いは御構い無しなのか、総悟は、どさりと布団の前に腰を下ろしていて。その足先が
かろうじて視界に映る。
「さっきから奇声が聞こえるってんで、近藤さんがビビっちまって眠れねェんだよ。まさか
正体がテメェだったとはねィ」
「うそだ。そんなに響いてた?」
「近藤さんの部屋だと、いい感じにBGMになってらァ。あの人が勘違いすんのも仕方ねェ」
「・・・・・スミマセンデシタ」
つまるところ、私は局長の睡眠を間接的に
・・いやある意味直接的に妨害してると
いうことか
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!最後までおつきあいくださって本当にありがとうございました!新作の方も盛り上げてまいります! (2017年1月30日 22時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっぱり夢主ちゃんは夢主ちゃんですね!私もこんな人が周りに居てくれれば…。新作、頑張って下さい!では今から新作の方に行ってきます! (2017年1月27日 22時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 手刀さん» ありがとうございます!嬉しいです!新作の方も盛り上げていきますので、とうぞお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年1月27日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
手刀(プロフ) - 完結おめでとうございます。この作品にはとても楽しませてもらいました。新作の方も応援させていただきます。 (2017年1月27日 18時) (レス) id: ed7689e827 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!直しておきます! (2017年1月22日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月12日 1時