【銀魂】籠の外の花

なによりも ページ2

「そういや、今日キャサリンは？」



お登勢さんの店で働きだして少し。

ほとんど夜に出勤ということで
日照りの苦手な私にはもってこいである

眠たいことはどうにもできないが、
それなりに楽しく過ごしている。






「ああ、キャサリンなら、今タバコ買いに
でてもらってるよ」




この店には不思議な猫娘がいる。
いや、化け猫というべきか。

キャサリンと呼ばれるその化け猫は、
口開けば薄汚いが、結構上手くやっている。









「ーーーA様、背中に猫の毛らしきものが
ついてますよ」

「げ、まじで？キャサリンだ絶対、最悪。
明日顔がキャサリンになってたらどうしよ」

「やめろよお前。俺ァ朝っぱらから
濃いババアのツラみんのはごめんだぞ」

「私だって全力拒否だわあんなの」




そして優しく背中の毛をとってくれた
機械的な女性は、たま。

どうやら常連客にも人気らしく、
人生相談室のようなものだと聞いた。


こりゃ大層な機能だこと。









「それにしても、今日は暇だね」

「ま、平日だからね。そこまでバンバン
人が入るような時じゃないさね」




お登勢さんが吐き出した紫煙が
天井を舞う。

それをぼんやりと見つめていれば、
銀時から「おい」と呼び声がかかった。









「A、お前そういや料理できんの？」

「は？」

「ほら、この前クッキー焼いてくれたろ。
他のモンも作れんの？」





素朴な疑問に、んー、と一度唸る。

料理かァ。そりゃ小さい頃はまともな
子供だった私は、皆がやってきたであろう
"お手伝い"なるものをしていたわけだ。

包丁が握れないわけではない。・・が、







「簡単なものなら」

「例えば？」

「カップラーメンとか」
「インスタントじゃねーか」


「いや何言ってんの。あ、他にもカレーとか」
「レトルトだろ」

「チッ」




騙されると思ったか、とばかりに得意げな顔を
され、思わず舌打ちをかます。


料理などできずとも人間は生きていけるのだ。
いざとなればインターネットというものがある

なにより作るのは面倒だ。

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