【銀魂】 ＊ミニマム＊ 2

好きだからこそ ページ33

「準備できたのかィ」


「うん、多分」




「近藤さんたちに挨拶は」


「近藤さんにだけ言ってきた。
皆さんには、内緒ね」






後で、・・私が去ったあとで伝えてもらいたい

自分から言うなんて、
涙腺の緩い私には、少しきついから。







．









「・・・ほんとに帰るのか
別にここにいたっていいんだぜィ。

屯所にいづれェってんなら、俺がアパートかマンションでも借りて・・・」

「ーー兄ちゃん」





私が、土方さんや他の皆さんに
遠慮してると思ってるんだろうけど。







「私が決めたことだから。
それに、・・ーーー武州に帰らなきゃ
意味ないしね。



・・でも」







強くなる

強くなって、たくましくなって、






「・・姉上にも兄ちゃんにも、


胸張って会えるようになったら
また江戸に戻って来たいな。」





この街も、好きになったから。







「ここに来て、少したくましくなれたかなって思うんだよね。・・でも、それは皆さんのおかげで、私自身の成果じゃないっていうか。


ここにいたら、また甘えちゃうし」







それに、








「・・諦めきれなくなっちゃうからね。」






無理やり笑ったら、兄ちゃんは珍しく
眉をしかめた。









「・・・あの人のこと、


好きだからこそ、
私のことで悩ませたりしたくない



お仕事、好きみたいだから。
邪魔したくない」








．








．









そこまでいえば兄ちゃんは、

ーーー・・ギュッ、と強くハグしてくれた。








「・・兄ちゃん痛い」


「お前が決めたんなら俺ァ止めねェよ。
せいぜいあっちで頑張りやがれ」





「・・うん、ありがとう」








．









出発は明日



ーーー・・やることが一つ、まだ残ってる

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