【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界

#48 静かな夜 ページ49

＊・オビside・＊


考え事をしながら歩いていると、
ふと自分に向けられる確かな視線を感じた。

じろっと視線を相手に向けると 目が合った。



オ「何？見すぎでしょうよ」

『なっ...！そんなに見てないと思うけど』

オ「そうかい？こーんな風に見てたよ」



仕返しだ、とA嬢の朱色の瞳を見つめ返してみる。





3秒ぐらい。





静かに見つめ合ってｰｰｰ



『見てない！！』



と、両手で壁を作られてしまった。

両手の脇から、ちらっとA嬢を見る。
フードを被っているけど、


(あ、今は耳あてしてないんだ)


いつもしてるのになーとか そんな風にしか思わなかった。
最初は。でも、耳自体を見てみると...


(え...なんで、

...昼間 身分証見る時の方が近かったでしょうよ)



A嬢の耳が、少し赤くなっているように見えた。



(いやーーーまぁ、あれかな。外寒いし。
いつもの耳あてしてないから、少し冷えただけか！)



途端に喋らなくなるA嬢。

俺も喋れなくなる。



(ウィスタル城に戻る前...いや、もしかしたら
会うのも最後かもな。

その前に、聞きたかった事でも聞いてみようかねぇ。)



ミツヒデの旦那は教えてくれなかったけど、
本人に聞いて 俺に話してくれるような話なのかな。


少しして目的の酒場に着いたようなので、
2人で入っていった。

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