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「よし、おつかれ!」
『よっしゃー!明日頑張ろ!』
勉強を終えた。あとは明日を迎えるのみ。よし。
……白布も今勉強してんのかな…。
勉強で頭がいっぱいだったはずなのに、ふとそんなことがよぎってしまう。
あーもう。忘れさせてくれ。
『例えば、ですけど、好きな人に迷惑だから諦めろ、みたいな感じのこと言われたら、セミセミさんだったら、忘れられますか、その人のこと』
「まあ、無理だろうな」
『そう…ですか』
「頭では諦めなきゃって分かってても、やっぱ顔見たり声聞いたりすると、好きだなって…思っちゃうんだわ」
同じだ。
そうだった、セミセミさんも誰かに片想いしてるんだ。
「ちょっと距離置こうと思っても、ふとした時にそいつのこと考えてしまうし、気を紛らわすために何かに熱中してみても、そいつと一緒だったら楽しいんだろうなとか…」
その心境が、自分の心境と重なってしまって、苦しくなる。
「で、最終的に、べつに諦めなくていい、そいつが幸せなら、俺も幸せだっていう結論に至った。だからお前も、無理して諦めることないんじゃねぇの?」
『セミセミさん…!!』
ほんとに、欲しい言葉をくれる人だなぁと思って、目が潤んだ。ついでに、涙出た。
「……一生言わないで墓まで持って行こうと思ってたけどさ。好きなやつ泣いてんのやだし。困らせんのも嫌だけど。でも、言っちゃえばすっきりすんのかもな」
『それはどういう』
「あのさ」
「俺じゃ、ダメ…?」
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作者名:Blue Leaf x他2人 | 作成日時:2017年1月28日 9時