32 テストなにそれおいしいの？ ページ41
川西side
「認めたら、負けな気がする…」
白布がそう言った。今、俺の前で認めました。
「頑固だなあ」
てか両想いじゃん。両片思いじゃん。本当にいいのだろうか。このままAが白布のこと諦めて。
まあでも、俺が口出すのもなんか違う気がするしなあ。見守ってくか。
「おはようA」
『やあ太一君、おはよう！！』
「……何キャラだよ」
朝。謎のキャラでハイテンションのこいつを見ていると、少し胸が痛む。無理に明るく振舞っているのか、単に吹っ切れたのか……。
言ってやりたい。白布はお前のことが好きなのだと。
まあ口止めされてるわけではないが、言わないのが普通だろう。賢二郎くん怒るとおっかないし。
「川西ー、何かバレー部の先輩呼んでるよー」
廊下の方からクラスの女子が俺にそう叫ぶ。廊下を見てみると、瀬見さんが立っていた。
「瀬見さんじゃん。なんだろ、ちょっと行ってくる」
『私も行こ』
と何故かAもついてくる。廊下に出ると、瀬見さんは「よう」と片手をあげ、そういえば前に瀬見さんに貸してたボールペンを返してもらった。
「ボールペン、ありがとな」
「いえいえ、どういたしまして」
「Aは…大丈夫か？」
白布とのこと、恐らく瀬見さんも知っているのだろう。不自然な笑顔のAに瀬見さんは声をかける。
『何がです？私はこの通り全然元気ですよ！！！あ、肉まんごちそうさまでした！！！』
なんだこいつ肉まん奢ってもらったのか。いいなー。
にしてもやっぱり無理して元気に振舞っているようにしか見えない。
追い打ちをかけるようではあるが、俺はたまらず言った。
「A、明日テストだけど勉強した？」
『え』
あ、一瞬で真顔になった。
『何テストって。あれ、もしかして平均点以上取らなきゃ追試受かるまで部活参加させてもらえないとかいう魔のテスト？勉強なんてしてないよ！！！！それどころじゃなかったよ！！！！！』
「あ、うん…ごめん」
思ったより勢いがすごい。でも、いつものAだ(？)
「お前らテストあんのか」
『無理無理無理部活行けなくなっちゃう勉強の仕方も分らん』
さすが短期記憶と勘で入試乗り切った女。普段勉強しない人あるあるの悩み。
そこで瀬見さんが言う。
「…俺教えようか？」
33 ケーキ食べたかった→←番外編 ご当地ネタ（焼きそば編２）
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作者名：Blue Leaf x他2人 | 作成日時：2017年1月28日 9時
