【ハイキュー！！】白布と付き合うまでの話。【白鳥沢】 (ページ35)

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28　傘は返すものページ35

『いやあ絶対たまたまじゃないよねえ！？！！？』

数日後。朝の教室にて。
あれからも白布の様子に変化はない。

「うむ。俺も聞いたんだよ、Aと何かあったのかって。でも何もないの一点張り」

『まあ実際何もないもんな。だから余計気になるっていうか…もう本人に聞いてくるわ』

「えっ、マジ？」

『マジ。昼休みにな』

もやもやして気持ち悪いので。

昼休み白布のクラスに行ったら購買だというので購買で白布を回収した。もちろん、すっげえ冷たいんだけど、もう手を引っ張って強引に空き教室連れてきた。

「離せって」

『ああごめん』

掴んでいた手を離す。正直怖いです。

「話って何」

『無理やり連れて来てごめん。でもずっともやもやしてるの気持ち悪いから言うね。』

私は大きく深呼吸をする。

『私、白布に何かしたなら謝る。でも心当たりがないから、いやありすぎて分からないから、何かしたんなら教えてほしい、です』

白布とは普段私が一方的に好意ぶつけて冷たくあしらわれるっていう一連の流れでしか会話していない気がする。こんなシリアスな空気初めてすぎてどうしよう。

「…べつに、お前は何もしてない」

『だったら！！』

「話、それだけ？だったら俺もう」

『ハッキリ言ってくんないかな！！！私に毎日毎日絡まれるの、迷惑だった？私あんま人の気持ちとか気づくの得意じゃないから、迷惑なら迷惑って言ってくんなきゃ分かんないんだよね！！』

半分俯いて半分怒り口調の私。
あー、こういうこと言うのもウザいって思われたかな。

「………そうだな。振ったのに毎日毎日好意ぶつけられて……迷惑、だな」

我慢だ今川A。こんなの、分かってたことじゃないか。

『そっか。何かごめんな！もうそんなことしないし、白布を好きなのも…今日でやめる。白布覚えてないかもだけどさ、受験の時貸してくれた傘、明日返すわ。借りパクみたいになっててごめん。ちょっと願掛け…みたいな？でももう必要なくなったから、ちゃんと返すね。あん時はありがとう。それじゃ』

私は一方的に喋り終わった後、顔を上げることなく教室を出た。ああ、人間ってこんなに泣けるんだな。
ただただ止まることなく流れ出てくる。胸も痛いし目の奥が熱い。

私は一つ上の階の空き教室へ駆けあがる。空き教室多いよな。
太一がそこにいるって言っていた。結果がどうであれ、話聞いてやるって。