【ハイキュー！！】白布と付き合うまでの話。【白鳥沢】 (ページ33)

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26　便所逆走ページ33

『わ、私トイレ行ってくるわ！！！』

そう言ってAは走っていった。トイレとは逆方向に。そっちトイレじゃないぞー。

チラッと白布を見てみるとこっちも真っ赤である。多分、ちゃんと照れてるAを初めて見たからだと思う。俺も初めて見た。ついでにちょっと一瞬ドキッとしたことは黙っとく。

「今日米粉パンにしよ」

「どんだけハマったんだよ」

白布は米粉パンにするようだ。もちもちして気持ちいいよねあのパン。
俺は焼きそばパンで。

さて。

「んじゃ白布、俺ちょっと用あるから先戻ってて」

「え、あ、あぁ、分かった」

───

び、びっくりした…
びっくりした

まだ顔が火照っているのが分かる。心臓もバクバクしてる。心臓バグってるわー。
もうさー、無理。白布がいるのに話しかけないのとか無理くない？

あれそういやここトイレじゃねえわ。なんか知らん空き教室来てしまった。

「あ、ここにいた」

『わあ太一くんじゃないっすか～びっくりしたあー』

なんだ追っかけてきたのか。

『告白なら断るぞ』

「誰がお前なんかにするか。どう？手ごたえ」

『んー、ないな』

一週間平然とした顔で過ごしてやがるからな。さっきのは私が一方的に照れてしまったが白布は真顔。なんつーか、自分の脈の無さを実感させられてるっつーか。私は生きてます。

「俺から見たら全くないとも言い切れなかったけどなー、まああいつがどう思ってるか俺も知らない以上、無責任なことは言えないわけだけど」

太一は良い奴だ。こんなとき無責任に「お前なら絶対大丈夫」と言われる方が虚しいわ。

『私、もう距離置くのやめる。今まで通りでアタックかますことにする』

「おう、あんま置きすぎてさらに心の距離離れても困るもんな」

それなんだわ。さらにってのは聞かなかったことにして、こういうのは適度にだな。何より私が我慢できません。

と、いうことで

『よっ白布！今日も素敵だね結婚しよ！』

「うわあ」

『おい心の声漏れてんぞ』

すごい、ゴミを見るような眼だ。なんかこの顔も久しぶりやなあ。嬉しいから私はもしかしたらMなのかもしれない。

「部活始まるから早く準備しろ」

心なしか白布がちょっと嬉しそうに見える。気のせいか。

『御意！』

私は嬉しさ故精一杯の笑顔でそう返す。
相変わらず進展も脈もクソもないが、これでいつも通りの日常に戻りましたとさ。