【ハイキュー！！】白布と付き合うまでの話。【白鳥沢】 (ページ11)

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08　天丼ページ11

そして白鳥沢学園高校入学式。ああ、まさか受かってしまうとは。
分かんなくてもとりあえず埋める方式やっといて良かった。面接は正直緊張しすぎて覚えていない。
あの斜めパッツンいるかな。

なんて余裕ぶっこいてる場合ではない。初日から遅刻しそうとはどういうことだ。とりあえず今日はギリギリなので自転車で行くことにした。
めっちゃ飛ばしまくる。今なら競輪選手にもなれるかもしれない。

春の匂いを感じ、勢いよく息を吸い込んだ。4月の上旬ともなると桜が咲き始めるころで、花粉の時期も終わる。ああ、気持ちいい！そこで差し掛かるは曲がり角。

ドンッと誰かにぶつかった。いらねえよこんな少女漫画的展開こっちは遅刻しそうなんじゃボケ。なんつってる場合ではない。

『ごごごめんなさい大丈夫すか！？』

こっちは自転車相手は徒歩。大事故だわ。

「ああ、大丈夫だ」

制服の上からでも分かるたくましい体、凛々しい眉毛、超低いイケボ。待て、この人どこかで…

『あっ牛島若利！！』

「？俺を知っているのか」

『友達が白鳥沢にめっちゃバレーがすげえ牛島若利って人がいると画像を見せてくれまして…有名らしいですね。って私そんな人の体にこんなその辺のスーパで買ったようなチャリンコでぶつかってしまって！！すみませんでしたああああ！』

そしておでこが地面にめりこむ勢いで土下座。

『お詫びになんでもします！パシリでも召使いでもなんでも！』

「いや、それはべつにいいんだが…。ではバレー部のマネージャーになるというのはどうだ」

『はい？』

「べつに無理にとは言わない。俺はべつに今のままでもいいと言ったんだが、そろそろマネージャーとか勧誘してもいいんじゃないか、みんなのモチベーションも上がるかもしれない、と天童が」

『天丼？』

「いや、天丼ではなく、」

『まあ見学、とりあえず見学してみます！』

・

そして翌日。私は体育館に見学へ行った。

『あ』

「あ。傘の人」

斜めパッツン男子との再会を果たした私。再会出来たことと、覚えててくれていたことがすごく嬉しかった。人が恋に落ちる瞬間なんて、本当に些細なことで。

『その説はどうも。てか、傘の人じゃなくて今川Aだから私の名前！』

「へえ」

『へえっておい』

「俺、白布賢二郎。マネージャーやんの？よろしく」

そう言ってフッと微笑むこの人…白布に、私の胸はキュンと高鳴る。

即入部決意した。