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23 せいせい ページ27

白布side

『白布!!!』


「あ、え、お前」



Aが髪を切ってきた。気分転換か、邪魔になったのか、はたまた失恋か。

……まあ、失恋なら毎日してるようなもんだよな。




「髪、切ったんだ」




そう言うと、Aは一瞬スンッとしたあと、顔がパァっと明るくなる。スンッてなんだよその一瞬どんな感情だったんだよ。




『気づいてくれたんだ嬉しい好きだ結婚しよう』



………。

よくもまあ飽きずに告白してくる。というかこいつは本気で俺のこと好きなのか?

疑っている訳では無いが、あまりにも軽いノリで言ってくるので最近はとくに信憑性がない。


まて、べつにどうでもいいじゃないか本気だろうが本気じゃなかろうが。俺はこいつを振った。それまでだ。



「嫌。まあ、似合ってんじゃない。長いのも可愛かったけどな」


『なっ…』



さらっとそう言い俺は教室へと入る。何言ってんだその辺に咲いてるヘチマに可愛いって言ったようなもんだぞこれ。

一瞬Aの青ざめた顔が見えた。なんでだ褒めたのに。


あ。


長い方が可愛かったと勘違いされたか。
誤解である。切った後も可愛い…とは思っていたりしなくもない。ただ前髪がなんつーか、同じじゃなくなったっつーか、は!?だからなんだよ!!




昼休み、俺は購買にパンを買いに行く。教室に戻りパンを食う。昼休みが終わる。


おかしい、静かだ。
あ、いつも声をかけてくるAがいない。




部活、いつもは「白布今日も最高だね付き合って」と駆け寄ってくるA。

今日は駆け寄ってこないし何か睨まれてる気がするし目が合うと逸らされる。おかしい、絶対おかしい。




いや、むしろこれが普通なんじゃないか。
鬱陶しくなくなってせいせいする。









せいせいする、はずなのに。

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作者名:Blue Leaf x他2人 | 作成日時:2017年1月28日 9時

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