おかえり。 ページ6
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「おかえり!A!」
戸を開けたAは、
声と共に身体を包んだ熱に、口元を緩めた。
「ただいま、杏寿郎」
「鬼は斬ったか!」
「うん。風柱様との任務だったから、ほとんど何もしてないけど。強い人だね」
抱きしめられている腕に、力が込もる。
身体を離した杏寿郎は、笑顔のままAの両肩を掴んだ。
Aの肩が、ミシミシと音を立てる。痛い。
「不死川との任務だったのか」
「そうだけど…何、また浮気?」
「俺はそんなに心の狭い男ではないぞ!」
「どの口が言うの。刀向けたこともう忘れたの?」
「うむ!この話はこれでお終いだ!一緒に風呂に入ろう!」
「自分が始めたくせに…」
ズルズルと引きずられるように風呂場へと連行される。
抵抗したところで無駄に体力を使うだけだと分かっているため、
もはやされるがままのA。
「ほらA、ばんざーいだ!」
「これ外せば脱げるけど…んぶっ」
「時間が惜しい!」
強制的に脱がされたAは、あっという間に全裸状態。
そこからは本当に早かった。
髪を洗われ、
身体を洗われ、
横抱きされてそのまま湯船へ。
ここまで終始ご機嫌の杏寿郎に、
Aはもう考える事をやめた。
「気持ちがいいな!」
「ん…眠くなってきちゃった」
「もう少し頑張れ!帰ったら抱いてもいいと約束しただろう!」
「…約束?」
は、していない。
後ろから抱きしめられる形でお湯に浸かっているAは、
当然の如く腕をまわされているため抜け出せない。
胸に触れようとする杏寿郎の手をバシンと叩く。
「のぼせちゃうでしょ」
「…触りたい」
「まだ駄目」
「まだ!だな!」
こういう揚げ足はすぐにとる。
結局最後の最後まで杏寿郎のされるがまま。
布団まで運ばれてしまった。
「明日も任務だから、加減してね?」
「……善処する!!」
「善処じゃ駄目」
「愛している妻を前に!我慢をしろというのが酷なのではないだろうか!」
「したら駄目って言ってるわけじゃないでしょ、加減してって言ってるだけ」
「……善処する!!」
同じ返答に、思わず笑いながら
降ってきた口付けに、
Aは目を閉じた。
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香澄 - とっても面白いです!!今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね! (2月19日 21時) (レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ!と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか? (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - またまた続けてのコメントですみません。。。 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です。。。 その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2021年2月13日 23時