第70話 ページ30
あれから僕は
手芸部とユニットとスケート
3足の草鞋をしながら忙しくも充実した毎日
を過ごしていた。
【 レッスン室 】
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ…
「全く！れおくんどこいった訳ぇ？
電話は3コール以内に出ろって言ってんのに、
ほんっと、チョ〜うざぁい。」
『(今日もレッスン室来る前に作曲でもしてんのかな)
僕、探してくるよ。れおくんと入れ違いになったら
面倒だし、イズミはここにいて、』
「わかったよぉ。見つけたら電話して」『うん。』ｶﾞﾁｬ
さて、今日はれおくんどこにいるのだろうか…
この前は噴水、その前は音楽室…もっと前は廊下で
作曲していたような。…う〜ん、
今回はガーデンスペース辺りが怪しいな。
『れおくーん、どこにいるの？出ておいでー、』
れおくんを探している途中、花々が咲き誇る
テラスからは死角になっているベンチの所から
ピピピ、ピピピ、と電子音が聞こえてきた。
『(もしかして、れおくん？)れおくんそこにいるの？』
そこには、薄く白に近い黄土色の髪を持つ青年が
ベンチの前で倒れ込んでいた、
『ちょ、ちょっと貴方、大丈夫ですか！？』
「ふぅ、……ふぅ、」
顔が真っ青、呼吸も安定してない…
『と、取り敢えず、日陰のとこに行きましょう。』
あの後、青年を持ち上げる…事はできないので
肩に手を回して、少し強引だが引きずりながら
ガーデンスペースの中の大きな木の下まで運び
なるべく楽な体制にしてあげられるよう寝かせてあげた。
『あ、あと飲み物も買ってこないと……
いや、この場合先生に言った方が…』
「だ、だいじょうぶ……だから、
このことが、知られたら……また僕は…
病院に、連れ戻さ…れる……、」
『……ｯ！、わかり、、ました、』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くま吉 | 作成日時：2024年2月28日 22時
