白銀のスノーマリア【あんスタ】 (ページ3)

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第44話ページ3

到着に遅れた理由は、
入学式に間に合うように予約していた便が
突然の吹雪で飛行できなくなり
止むまであちらで立ち往生していた。
結局入学式に参加できず1週間すぎて日本についた。
まぁ、雪国だから仕方の無い事だった。

アイスランドから日本へ直行便などないので、
コペン、ハーゲン、ヘルシンキ、ロンドンと
ヨーロッパ諸国の都市を経由しながら来たので
片道だけでも20時間もかかってしまう。

「長旅だったでしょう？疲れていませんか？

『まぁ……少し疲れたかな。』

なら、早く家に帰りましょう！荷物お持ちしますよ★

あと、あちらでのお話を家で聞かせてくださいねぇ♪
叔父様は元気でしょうか？」

『うん。ダッドも渉に会いたがっていたよ。
僕の事いろいろよろしくって。』

「そうですかぁ♪またあちらに行きたいですねぇ！
そしたら、また2人でオーロラを見ましょう!!」

『えぇ……。僕寒いの嫌いだし、確率だって低いのに』

日々樹渉と出会ったのはたしか、僕が6歳の時
ダッドにおつかいをたのまれて外に出た時に
確か渉が雪に埋もれていたのが出会いだった。
今でもかなり衝撃的な出会いだったと思う。
まぁそれはまた今度話そう。

『家に居候させて貰えるって大丈夫なの？
どこか寮に入るでも良かったのに…。』
「部屋が何個か空いているので大丈夫ですよ♪」
『そうなんだ、ありがとう。』

母方が日本人だが、父はアイスランドの人で
日本に来るのは初めてだった。
父と母は僕が産まれてすぐに交通事故で亡くし
アイスランドに住む叔父が
僕のことを引き取ってくれた。
だから日本で頼れる人と言えば、渉しかいなかった。

渉はそんな僕に、夢ノ咲の入学手続きのサポートや
家も提供してもらえるなんて至れり尽くせりだ。

「んフフ★これから楽しい生活になりそうですねぇ。
帰ったら先ず歓迎会をしないとですねぇ2人っきりで♪」

『(2人はもう歓迎会じゃなくないか…)』

「ユキに会えなかった間に習得したマジックが
沢山あるんです♪それも見てもらいましょう!!

今度は必ず、驚かせてあげますよォ★」

『(渉が楽しそうだからいっか……)…そっか。
それなら楽しみにしてるよ。』

家に帰ったあと、日々樹渉によるユキの歓迎会は
一晩中続いたのであった。