第58話 ページ17
――瀬名泉視点――
今年の入学テストの1位は
あの日々樹渉に並ぶぐらいの点数を叩き出して
ぶっちぎりで1位だった、とか
フィギュアスケート界では中々有名な奴で
【氷上の王子様】と呼ばれてたとか。
色々騒いでたから少しだけ興味はあったんだよねぇ。
まぁ確かにゆうくんには及ばないけどぉ、
いい顔って事は認めてあげる。でもいくら顔が
良かったって歌もダンスもできなきゃ
アイドルとしては生きていけないし。
でも【乙葉 ユキ】はそれを軽々と超えていく人だった。
学園から出された課題曲はみんな一緒なはずなのに
完成度の高さはもちろん、まるで自分の曲のように
こなす様は皆が騒ぎ出すのも納得できる。
この【力】とれおくんの【曲】が組み合わさったら
誰にも負けない【騎士団】が出来上がるだろう。
れおくんの所で言う直感ってやつ？本当は今すぐにでも
会いたいところだったけど、確か北欧の人で
飛行機の都合で入学式にも参加出来ずに1週間遅れで
この学校に来たって話。
でもまさかこんな早く会えると思ってなかった。、
映像で見た時は冷徹そうな奴だったけど、
喋ってみればそうではなかった。だからって
出会って直ぐに先輩のこと「横暴」呼ばわりとか…
全く…口の利き方を直した方がいいんじゃない？。
そして今レオくんが【バックギャモン】へユキを
引っ張ってこようとしてひとまず仮所属まで
持ち込むことが出来たんだよねぇ…。
なんだかんだ俺達はまだまだ神に見放されてないって感じ？
少し生意気そうな後輩だけど、
俺がやさ〜しく可愛がってあげるからねぇ♪
―――――――――――――
今日新しく連絡先に登録された【乙葉 ユキ】の
名前を見て、フッと笑みを浮かべ
明日からのレッスンどうしようかと考えながら
瀬名は自分の家までかえったのであった。
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作者名：くま吉 | 作成日時：2024年2月28日 22時
