○ ページ28
*
【十四松】
「おりゃぁぁ!どぅーん!どぉーっつ!どっせーい!」
ベランダでは十四松が奇声を上げながら壁に激突していた。
一人でなんの遊びをしているのかさっぱりだ。
「あははっ!ゴロゴロー!ゴロゴロー!」
そんな十四松を窓からおそ松が無言で見ていた。
「なぁ、皆」
「んー?」
おそ松は部屋の中にいる五人に聞いた。
それぞれカラ松は手鏡で自分の顔を見て、トド松はスマホ。
チョロ松は求人雑誌を見て、一松は猫と遊び、
ハイ松は一人でトランプタワーをしていた。
「十四松ってさ、いつからあんな感じになったの?」
おそ松の言葉に五人は固まった。
チョロ松とトド松が立ち上がってこの場から逃げようとするが、
おそ松に肩を掴まれて止められてしまった。
「待て待て。逃げるな逃げるな。座れ」
「「…………」」
逃げようとした二人はおそ松に止められて、仕方なくその場にいることに。
ーーー
「え?そこ触れるの?」
「やめようよ…。危険な匂いしか…」
「いや俺も怖いよ?この話題。でも限界。気になってしょうがない」
一番触れてはいけないところを触れることとなってしまった事態。
六人はベランダで暴れる十四松抜きで会議をすることとなり、
円になって話題に触れようとした。
「子供の頃普通だったよね?」
「普通だった」
「ていうか、今あれは大人なの?」
「分からん」
「ていうか、人間?」
「分からんって」
トド松とチョロ松の質問にどう答えるべきか分からないおそ松。
触手や頭が取れたりする時点で人間なのかと疑うレベルだろう。
「その辺どうなんだ。一松、ハイ松」
「『っ!?』」
カラ松からいきなり名指しされた二人は体をびくつかせ、
顔を見合わせながらもまたカラ松を見た。
42人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年8月12日 12時