歌い手病院 『市立海の街病院 小児科病棟』

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ーまふまふsideー


今日はずっとテレビを見ていた。どうせニュースの時に消しに来るんだろうけど。

【ニュース速報です！只今○○社の○○社長の身柄を確保したそうです！】

あ・・・あのニュースだ。アニメを中断して放送されるニュース速報に耳を傾ける。

【○○社長によりますと、過去に相川秋良・春華夫妻に対して死に至るまでの過度な暴行などを加えたそうです。その後相川夫妻は車内で心中を起こしたそうです。】

相川秋良・・・春華・・・僕の父さんと母さんの名前だ。でも、なんで？僕の父さんと母さんは事故で死んだんじゃないの？なんで？おかしいよ・・・ねえ、どうして？

ズキズキと痛む頭の中をいろんな考えが渦巻く。


ま「っは・・・は・・・っは・・・っ・・・」


呼吸が浅く、速くなっていく。


そ「まふ！」


ま「そ・・・っぁる・・・さんっ・・・！」


上手く喋れなくなっていく。


そ「落ち着いて。今、坂田とあんくを呼んだから。大丈夫。」



ーそらるsideー


あんくにまふの呼吸を落ち着かせてもらう。

精神科の坂田を呼んだのは、理由がある。テレビに映し出された名前。まふの親の名前だ。


そ「落ち着いたな。あとは、坂田。頼んだぞ。」


坂「まかせてちょ！」


俺、まふのこと、守れなかった・・・
まふに、辛い思い、させてしまった・・・



ー坂田sideー


坂「まふくん、おきた？」


ま「さか・・・たん・・・？」


状況が読み込めてないのか・・・


坂「なにがあったか覚えてる？」


ま「ニュースに父さんと母さんの名前が出て分かんなくなって息ができなくなって・・・」


坂「そのことについて、そらるんが話があるって。」


ま「いま、ききたい。」


あまりにはっきり言うから、まふくんの気持ちが・・・というか思いがすっと分かった。

気になるよね、親の事。よく分かるよ、まふくんの気持ち。


そ「お、まふ。起きたか・・・」


ま「ね、そらるさん。僕の、父さんと、母さんのこと、教えてよ。」


坂「んじゃ、俺、戻りますんで。」


二人きりの方が話しやすいだろう。

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