記録その廿捌 ページ29
『お前が来るのは珍しいな。』
「いや…少し暇が出来たので、鍛錬をつけてもらいに来た…」
『鍛錬か。え、つけてもらいにって…俺が?』
「頼めるか?」
『うん、いいよ。』
童磨に少し行ってくると言えば笑顔で手を振られた。てきぱき働く童磨に悲鳴嶼は本当に鬼だったのかと疑わしく思ったのだった。
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「“岩の呼吸”伍ノ型
『“
大きな鉄球が降ってきて、Aは空亡で受け止める。
続いて手斧が物凄い勢いでくるので避けた。
『“
Aは刀をしまい、空中を蹴った。
「な、空を…!!」
『油断するなよー。“
足を振り下ろし、飛ぶ斬撃をいくつも飛ばす。
悲鳴嶼はそれを手斧や鉄球で受け止めた。
その瞬間、
『“
「…油断した。」
『あと何回かやるか?』
「あぁ、頼む。」
再び2人は地面を蹴った。
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「A、行冥殿、もうそろそろ止めにした方がいいと思うぞ。」
気が付けば夕日が沈みかけており、辺りは少し暗くなりかけていた。
行冥は息切れをしつつAを見る。
「私も修行不足…南無阿弥陀仏。」
「行冥殿はAに勝てたのかな?」
「…いいや、1本も取れなかった。」
『いい線行ってたけどなあ。』
山道を歩きながらAは欠伸をする。
2人とも休まずに勝負をずっとしていたので汗だくであった。
「2人とも汗だくだなあ。風呂を沸かしたから入ってきなよ。」
『童磨ありがとうな。』
「ふふ、今度何か甘いお菓子を作って欲しいなあ。」
『さては、それが狙いだな…?』
「ばれてしまったか!!」
そんな2人を見て悲鳴嶼は鬼と人間を救いたいと言ったカナエの言葉を思い出した。
最初は正気かと思ったが、彼女は本気で救いたいと思っているのを悲鳴嶼は知っている。
「(カナエ、お前の願いはAも同じかもしれない。)」
『甘いお菓子って具体的に何だよ。』
「ちょこれえと!!」
『いやそれは本気に無理。第一チョコレートはなあ、カカオっていう実から…』
「お腹が空いたなあ。」
『聞けやァァァーーーーーッ!!』
悲鳴嶼は密かに笑った。
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メリエリ(プロフ) - 凄く面白くてお気に入りです!続きはつくらないのですか? (2021年7月13日 19時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ily(プロフ) - こんばんは!もう更新はされないのですか??とてもいい作品でもっともっと読みたいです!!更新待ってます! (2020年5月15日 0時) (レス) id: c05f4833c8 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - 伊之助推しさん» ありがとうございます!神作品だなんて本当に嬉しいです!!これからも更新していくのでよろしくお願いします!! (2020年2月24日 23時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
伊之助推し - 神作品すぎる、本当にこれ好きなので続木楽しみにしています。 (2020年2月14日 23時) (レス) id: 5a7580d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - Ecarlateさん» コメントありがとうございます!記録その廿伍に少しだけ書いてあるのですが夢主をおびき寄せるために無惨から呪いを解かれていたという設定です、すみません文章が不足していました汗 (2020年2月2日 17時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUGI | 作成日時:2019年12月27日 21時