検索窓
今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:5,334 hit

整理がついた ページ35

病院から離れ、途中までギノや観音坂さん達と帰る事になった私は、これからどうするかを考えて居た。
その最中、ギノの視線に気が付く。

「私の顔に何か付いているかな?」

「あぁ。“化粧”」

(そうだった。自分が普段と違う姿なの忘れてた)

咄嗟に顔を隠すように逸らすと、ギノは「唐之杜を思い出す」と呟く。

「ケバいと言いたいのか?」

「そういうお前は遠回しに唐之杜をケバいと言いたいのか?」

「質問を質問で返すなよ」

そんな話をしている間、ギノの隣を歩く観音坂さんの気まずそうな空気を察し、「悪いな観音坂さん。久しぶりに“友人”と会って盛り上がってしまった」と声を掛けた。

「友人、ですか。なるほど……?」

(変な誤解されなきゃいいが)

「先程Aの話を聞いて考えてみたんだが、Aは探偵事務所で寝泊まりもしているんだろ?俺は知っての通り、無一文で観音坂達の家に居候してる」

「観音坂“達”?」

「俺の幼馴染の伊弉冉一二三って奴がいるんです。あ、一二三も歌舞伎町のホストだし今回の調査でもしかしたら役に立つ情報得ることが出来るかも……」

「そうだったのか。なら、一応連絡先交換しないか?観音坂さんが良ければだけど」

「え!?あ、は、はい。大丈夫です」

「じゃあ何か分かったら何時でも連絡してください。んで、ギノは何を考えたって?」

道の端で立ち止まって連絡先を交換しながら雑に聞くと、ギノは軽く咳払いをして「お前の助手としてでも構わない。俺も事務所で働き、寝泊まりしても良いか?」と提案してくる。
ギノの提案に私と観音坂さんは「えっ」と一瞬驚く。

「先程も言ったように俺は無一文で働き口もない。こんな状況でずっと観音坂達の家に居候する訳には行かない。そもそも、押し掛ける形で住まわせてもらっていただけだしな」

「そ、そんな!誘ったのは一二三ですし、俺も一二三も気にしてないですけど……。でも、宜野座さん自分について記憶が朧気だって言ってましたし、それを考えれば友人の瀬戸塚さんと一緒にいる方が良いのか……?」

(ほーう。ギノも自分については詳しく話してなかったんだな)

「私は君達がいいならそれでも構わないけど」

「助かる。お前も分かってるだろうが、やるべき事があるからな」

“やるべき事”とは、恐らく元の世界への帰り方を探らねばならないと言う事だろう。

「取り敢えず今日はまだ観音坂達の元にいる。俺の中で整理がついたからな。二人と話がしたい。事務所には明日行こう」

「分かったよ」

「分かり、ました」

時系列 無視OK→←不思議な縁



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年3月12日 12時) (レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白い!更新頑張って下さい! (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2016年2月6日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。