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不思議な縁 ページ34

病院内にある受付前の椅子に座って暫くすると「A」と、名前を呼ばれる。
顔を上げると、ギノと雛河君似の男性と、白衣を着た長髪の医師がこちらへ歩いてくる。

「まさかお前とこんな所で会うなんてな」

「私も驚いた。所でそちらの方々は……」

私が視線をギノの隣にいた男性二人に移すと、二人が自己紹介を始め、ギノが観音坂さんの家に居候していることを知る。他にもつい先程、診察室で三人が話をする際、観音坂さんが私についてギノに聞き、ギノが簡単に二人に私の話をしたらしい。なので、二人は私の名前を知っていた。

「ギノがお世話になってます」

「お前は俺の保護者か」

「貴方は先程、集中治療室へ案内されていましたよね。彼について何かご存知なのですか?」

神宮寺医師に聞かれ、私は苦笑いしながら正直に答えるか誤魔化すか悩んだ。

(病院側にも味方がいた方が男性のこれからの状態も分かるし、ギノが居候している観音坂さんの知人でもあるようだし……。会ったばかりで人柄はまだ分からないが融通は効きそうだ)

「……少し時間を頂いてもよろしいでしょうか?神宮寺先生に頼みたいことがありまして。此処で話すのもなんですから、場所を移動しても?」

悩んだ結果私は正直に話すことにした。
神宮寺医師も丁度小休憩だったらしく、快く了承してくれた。なるべく人気の無い場所へ移動した後、私は自分が横浜で探偵をしているのも含め、事のいきさつを話した。
ギノに関しては「お前そんなことしてるのか」と目を見開いていた。

「事情は分かりました。男性の知人のフリをしている以上、それが嘘だと分かれば確かに警察にも怪しまれ、調査は止められるでしょうね。しかし、横浜で探偵ですか。今回の様な荒事なら左馬刻君達が頼りになりそうですが……」

私は依頼人が誰かはあえて話していなかった為、神宮寺医師の口から左馬刻の名前が出た瞬間「左馬刻を知ってるんですか?」と思わず口が開いてしまった。

「おや?貴方もですか」

「はぁ〜……。こりゃあ凄い縁だ。実はですね……」

依頼人がその左馬刻……と言うか、正式な依頼人が銃兎であることや、左馬刻達との出会いで助けられ、探偵になったことを私は話した。すると、神宮寺医師も自分達と左馬刻達との関係を喜んで教えてくれた。

「不思議な縁を感じますね。左馬刻君達の依頼であるなら、私も出来る範囲で協力しましょう」

「!有難うございます」

こうして、神宮寺医師は調査協力に応じ、私とギノ、観音坂さんは病院を後にした。

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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年3月12日 12時) (レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白い!更新頑張って下さい! (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年2月6日 20時

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