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対面 ページ33

* * *


看護師さんに案内され、男性の様子を見に行ったが、男性がいたのは集中治療室。
病院側では詳しい原因はまだ不明となっているようだが、予想以上に症状は深刻なようだ。

(心臓より脳の方が大分ダメージをくらっていると言っていたな。看護師さんが。男性がいつ目覚めるのかも分からないし……。どうしたものか)

病院側に私の連絡先を教えたら、後から警察が聞き込みに来るかもしれないので、少々渡しづらい。
依頼とはいえ、ただの探偵が“クスリ”について探り、嘘をついてまで男性の知人として病院に来たのだ。それを考えると、面倒な事になる。
何より、調査を止められてしまう可能性も高い。

(取り敢えず、今日は引き返そう)

そう思って廊下を歩いていると、目の前からは雛河執行官と似た雰囲気の人と、ギノのクリソツさんがこちらに向かって歩いてくる。
二人の横を通り過ぎた瞬間、私はピタッと足を止め、振り返った。

(いや、“クリソツ”じゃなくて、まさか……)

「ギノ……?」

聞こえるか聞こえないか程度の小声で名前を呟くと、見覚えのあるコートと片手に手袋をした男性が目を見開きながら私の方を向いた。

「A、か?」

雰囲気が雛河執行官に似てる男性は「どうかしたんですか?宜野座さん」と確かにギノの苗字を呼んだ。ギノはどうしようかと言わんばかりの表情で私と男性を交互に見るも、「悪い、A。話が終わるまで待ってくれないか」と言って、もう一人の男性と再び何処かへ行ってしまう。
またもや予想外の展開に、この私でさえぽかんと立ち尽くしてしまう。

「ほ、本当に本人……なのか?」

私は自分の現在の姿を思い出し、ハッとする。
同僚が居ると分かった今、すぐにでも化粧を落として着替えたい。せめて化粧だけでも落としたかったが、そうなると服が若干リッチ過ぎて違和感が出るだろう。

(待ってくれと言われたし……。なんでよりによってギノが?けど……話したいこと、まとめておかないとな)

久しぶりに見知ってる人物に会えて、安心したのと同時に、仲間に会えたのだと嬉しさを感じた。

不思議な縁→←薄れ、変わっていく記憶 常守視点



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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年3月12日 12時) (レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白い!更新頑張って下さい! (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年2月6日 20時

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