ヨコハマの猟犬探偵【ヒプマイ×PSYCHO-PASS】

聞きこみ調査 ページ29

そして今日、午前中は左馬刻に得た情報を伝え、乱数に用意された服を着て夕方頃にシンジュクに出向き、例のホストクラブへと歩く。
髪型はハーフアップにし、服は腕の肌が見える黒い長袖の膝丈ワンピースに、白いファー。慣れない黒ヒール。
全部乱数の店のブランドで、最近はポップな服以外に大人な服のデザインに挑戦しているらしく、そのモデルとして昨日私を事務所に連れて行ったのだ。
服をタダでくれたのは、モデル料でもあるとの事。

(やれやれ……慣れない服のせいで落ち着かない。元の世界じゃなくて良かったな)

メイクも最低限のナチュラルメイクか、すっぴんの方が多いといった話をすると、乱数がこの服に合うメイクのやり方を教えてくれた。
メイク道具は乱数の服のブランドと他のメイクブランドがコラボした時の物が余ってるからあげると言われ、有難く頂戴した。

(ん？騒がしいな)

店が近付くにつれ、「あそこ何があったの？」「誰か倒れたみたいよ」とざわつく通行人達の声が聞こえてくる。
歩き進むと、目的の店の前に救急車が来ていた。
……嫌な予感がする。
恐る恐る店のホストらしき人に声を掛けると、店の開店準備をしていた最中に同僚の一人が控え室で倒れたという。

「私、友人に紹介されて来たんですけど、今日○○さんは……」

「今運ばれたのが○○だよ」

……開いた口が塞がらない。
タイミングが悪過ぎだろう。彼の安否が分からない上、今日中に話を聞くのは難しそうだ。

(病院先聞いとくか。クスリが原因で倒れた可能性が高いが、後で知り合いのフリして病院に行き、様態だけ確認してこよう。目を覚ましたとして、場合によっては警察に連れて行かれて施設行きの可能性もあるし。ただでさえクスリや売人の情報が少ないのだから、出来るならサツに連れて行かれるよりも前に話がしたい。生きていて尚且つ店に復帰出来る状態なら一番良いが、クスリを使用したと分かれば難しいだろうな)

私は病院先を聞くついでに、さりげなく運ばれた男について店の人に尋ねてみる事にした。

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